星の降る夜

星の降る夜

内緒話。

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毎晩通話やLINEでやり取りをする中で
お互いの日々のこと、趣味のこと、
抱えていること、少しずつ語り合って。
でも自分の性のことは、言えませんでした。



私には大きくふたつ、
性についてのコンプレックスがあります。

ひとつは、被虐の欲求。
ってしまえばマゾヒズム。M。
私の場合、痛み自体が快楽に転じるようで
(切り傷の消毒で快楽による悶絶をする程)
人から与えられれば尚更で。
好きな人に絞められたい、切られたい、
咬まれたい、踏まれたい……
なんなら、もう、殺されたい。
そんな欲求に蝕まれていました。

もうひとつは、ノンセクシャル。
愛する人とは性行為をする、
愛情のやり取りとして性行為をする…
そんな感覚が、私にはまるで分からなくて。
不感症ではないのです、寧ろ敏感。
なのに初めて深いキスをした瞬間、
正体不明の違和感に襲われ泣き崩れてしまったり。
経験もないうちから男女のなんらかが
できる気がしなくて、告白に対し
「友達のようにしか付き合えないよ」と返していたり。
性嫌悪になるような悲劇があった訳でもないのに、
私には性行為に伴う愛情が、
まったく、少しも理解ができませんでした。

実際、お付き合いをする中で経験はありましたが…
それをしながら「愛してる」と言う相手の
惚けた顔に、声に、微塵も共感が持てなくて。
演技で返す「私も」は、とても苦しくて。
酷い温度差に心底悲しくなり、
情事の後は大抵、不安定になる始末。
お付き合いをやめる理由の殆どは
"自分のノンセクシャルに耐えられなくなったから"
でした。

性的なことは避けたいくせに
痛みは与えられたいなんて…
我ながら、普通ではない。
恋愛に臆病に、なっていました。



そんなある日。彼が突然神妙な文で
「夢見月さんに話すことがある」と言い。
「え、実は犯罪者とか?」「既婚…はなさそうだし、」
「大丈夫、それは流石にないよ笑」
じゃあなんだろう…私も彼も、不安な空気。
「実は僕、夢見月さんよりずっと年下なんだ」

…そう、彼は逆サバを読んでいたんです。
私より少し上のお兄さんと聞いていたのに
それが実は、ひと回り下の学生さんだったとは。
…全然分からなかった。

途端、言えていなかったコンプレックスが
一気に思考を支配しました。
私よりずっと若い、これからいろんな
出会いがあるだろう彼を、欠陥だらけの
恋愛に付き合わせてよいのだろうか。
彼は優しいから、きっと私に合わせてしまう。
きっと不自由だ。気を遣わせて、我慢させて。
…いいはずがない。よくない。
「そんな、気にしないよ」
明るく嘘をついて、次の日。
彼を突き放しました。



彼の温もりに浸かりきっていた身と心では
以前のような生活はとてもできなくて…
彼には年齢のせいだと思わせてしまい、
呟きはどんどん、暗くなっていって。
冷たく接するようになってから、ひと月程。
すべては自業自得の酷い話、なのに
ぼろぼろと、彼に泣きついていました。

言うだけ言って、引かれて終わろう。
奇妙なお姉さんにちょっと引っ掛かってしまった、
そう思ってもらえば、きっと次は
同年代の素敵な女の子と幸せに……

私も隠し事をしていたと、
性癖のこと、ノンセクのことを話し。
だから恋愛相手には向かないよ、
もっと素敵な恋をして、と、格好つけて。
…終わりだなあ、終わりにする、
そうしてるのは私なのに返事が、こわい。
見られやしないのに変な笑顔で、沈黙の先を待ち…



「…僕もですよ、夢見月さん」



「…え?」
「僕もなんです、それ」
困り笑いのような、でもどことなく輝いた声。
「…それって、どういう、」

好きな人を傷付けたいと思う。
首を絞めたくなってしまう。
でも、性的な事は好きじゃなくて。
だから恋愛が上手く出来ない

世知辛いです、と笑う。
彼は、加虐嗜好のあるノンセクだったのです。
こんなことがあるのか、と。

「…咬まれたいと、思います」
「いいですね、痕をつけたい。消えないような。」
「首を、絞められたくて」
「…そのまま殺されてしまうかも?」
「…殺されてしまいたいくらいに」
はは、とわらう彼。とてつもない深さを感じて。
自分の見誤りを強く、実感しました。

被虐と加虐の話、ノンセクの話…
誰とも共有できなかった会話が、楽しくて。
気がついたら復縁の空気に…
「…ごめんなさい、戻りたいです」
「勿論大歓迎です、お帰りなさい」



それが去年、4月の終わりの話。
記念日はどうしようか?となった時
じゃあ最初にちゃんと確認し合った日、となり
4月3日が大切な日となりました。
(裏の裏アカウントの名前は…おやおや?)

距離の都合上、あまり会えない我々なので
思考などが中心の内容になりますが
ぼちぼち、わーっと書いてゆきます。
よければお付き合いくださいませ。