先日、神奈川新聞社より取材を受けた記事が昨日一面に掲載されていました。
人口減で空き家対策が課題、12年度から改築促進を制度化/横須賀
横須賀市は、神奈川県下では、横浜市・川崎市・相模原市に次いで4位の人口でありましたが、2012年4月1日時点の人口で 41万3,401人となり、ついに藤沢市に抜かれ5位になったというニュースが以前にありました。
人口減少の要因の一つと言われているのが「谷戸」にある住宅。
枝分かれした幾つもの丘陵が海岸線近くまで延びていて、平地に乏しい。丘陵は、決して高くはないが、急傾斜である。丘陵と丘陵にはさまれて幾条もの谷が走る。 この谷あいを谷戸と呼び、そこに密集して人家が軒を連ねる。この谷戸にある住宅は、車も通ることが出来ない道や階段、坂道であり、宅配サービスや高齢者の送迎も厳しい。また、空いた住宅を貸すにしても入居者に敬遠され、売却しようにも値がつかない(いくら安くしてもなかなか売れない......)というのが現状でもある。
全国の住宅・土地統計調査に基づく空き家率の推移を見ると、横須賀市はこの20年余りで高い増加率を示している。空き家になってから長期間放置されている傾向があった。 横須賀市では昨年、谷戸地域を中心に実態調査を行った。地域の18・5%が空き家となっている箇所もあったそうです。
防犯や災害のリスクを考えても、古家を放置することはリスクもあるなか、所有者が長期に家屋を放置してしまう理由には、税制面の優遇もある。土地上に建物が存すれば、固定資産税も優遇を受けられるが、解体して更地にしてしまうと税負担は本則課税になってしまう。
また、解体するにも車の入らない狭小道路、階段などでは、当然に割高の解体費がかかるために、二の足を踏むのであろう。所有者にとっては、古家のまま置いておくことが最大の「メリット」なのだから。
--------横須賀市では、平成24年度予算で新規事業として『谷戸地域の住環境対策(864万1千円)』を計上。空き家率の高い汐入5丁目2区をモデル地区に、老朽家屋の解体や若年層の住宅建替に対する助成、谷戸に居住する高齢者が市内に転居する際の支援などを行う。さらに、空き家の再生と利活用を図る『空き家リフォームへの助成』も事業化するが、議会内では「交通不便地で不動産価値が低い空き家もあり、これに特化した助成に意味があるのか」「街づくりを考えるのなら、リフォームではなく解体などの支援を積極的に行うべき」との声もあがっている。 ------(タウンニュース横須賀版より)
谷戸のある空き家では、「シェアハウス」にしているところも数件見られたが、何か再生の良いアイデアは無いかな・・・と考えさせられます。
おしまい