ふいに、聞きたくなった大沢誉志幸さんの「そして僕は途方に暮れる」と沢田研二さんの「勝手にしやがれ」。

2曲ともユーチューブで聞いてみる。

やっぱり詩がすごくいい。「そして僕は途方に暮れる」の詩は、銀色夏生さん。「勝手にしやがれ」は、阿久悠さん

この2曲の出だしは共通している。

別れた彼女が部屋を出て行く場面から始まる……。




「そして僕は途方に暮れる」


見慣れない服を着た

君が今 出ていった

髪型を整え

テーブルの上も そのままに

ひとつのこらず君を

悲しませないものを

君の世界のすべてに すればいい

そして僕は 途方に暮れる




「勝手にしやがれ」


壁ぎわに寝がえりうって. 背中できいている

やっぱりお前は出て行くんだな

悪いことばかりじゃないと

想い出をかき集め、つめこむ気配がしている。




「そして僕は途方に暮れる」がセンチメンタルで、「勝手にしやがれ」がハードボイルド。ラブストーリーなんかで、「別れた彼女が部屋を出て行く……」という一場面を考えたときに、パブロフの犬状態で、この2曲の冒頭の詩が頭に浮かぶ。

それにしても両方ともタイトルが秀逸だな。