ちょっと気になっていたけど、見損ねていた映画『P.S I LOVE YOU』をレンタルで見る。
なんで気になっていたかと言うと、僕は岩井俊二さんが脚本、監督された映画『ラブレター』が大好きだ。
イラストブックは買い、シナリオが掲載された年鑑代表シナリオ集は買い、サントラは買い、もちろんビデオは買い……と相当好きな映画のうちの一つだ。
『P.S I LOVE YOU』は、その『ラブレター』と基本は同じアイデア(死んだ伴侶から手紙が届く)であり、どういう内容か興味があったのだ。
そんな訳で、一仕事終えた後、ビールを飲みながら見る。
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内容は可もなく不可もなくかもしれないけど、僕は結構好きだった。
なんといっても、冒頭で夫婦喧嘩から仲直りするまでが描かれ、その後にタイトルインがあった後、すでに旦那が死んだところから始まる。
これはタランティーノの『レザボア・ドックス』が冒頭でマドンナの歌の話をしていると、次に銀行強盗をして失敗したところからスタートするのに似ている。
観客に見せたいシーンを考えて構成を練っているし、大胆な省略をすることで謎としての引張りが生まれる。こういう嬉しくなるような構成を見ると、この映画はエンタテイメントに徹した作品だろうなと想像がつく。
案の定、夫を亡くした妻の元に手紙が届く仕掛けや、ヒロインとくっつくだろうなと思う男性がいるんだけど、その予想の裏切り方とか少々かったるい話だったけど、最後まで楽しく見られた。劇場で見たら、人にお勧めは決してしないけど、1800円を損したとは思わない映画だと思う。
この前、フジテレビ映画事業部の人と話していて改めて思ったことがある。
僕は特定のジャンルを書きたいというのではなく、曖昧かもしれないけど、エンタテイメント作品を書きたい。今、抱えている仕事もジャンルはバラバラだ。
でも基本はエンタテイメントに徹する作品に仕上げたい、と思っている。