トイレに、葉書サイズの岡本太郎さんの絵を数点、張っている。

岡本太郎さんが好きだ。

川崎の岡本太郎美術館に、嫁と足げに通っていたこともある。

画集からエッセイまでほとんどの本を読んだ。

ジミー大西さん(大西秀明画伯が、子供の頃、太陽の塔を見たとき、「こりゃ、宇宙人が建てたに違いない!」と思ったそうだが、確かにあれを見たときのインパクトは強烈だった。


岡本太郎さんが唱えていたのは、「対立主義」。

抽象画の中に、ハッとするような具体画を差し込む。

抽象と具体の対立の中に、生と死が組み込まれ、見る者の心を捉えて離さない。

圧倒的絶望の中に、一瞬の希望を描いてみせる。

深遠なダークカラーの中に描かれたほとばしる赤の線に、心が痺れる。

岡本太郎さんの絵を見ると、「死は祭りだ」と生前おっしゃっていたことを思い出す。

絶望とは、希望の祭りに他ならないのだ。

トイレで、岡本太郎さんの絵をずっとみていて、久しぶりに岡本太郎美術館に行きたくなった。