Hide & Seek ~spinoff~
マネひょんの嘆き ④
俺・・・ランドに入ってから
ずっと走ってないか?
はあ~・・・
ホント勘弁してくれ・・・
さっきのパレード後の時の
ファンに囲まれてる姿が
アタマを過ぎる
離れたトコで食べなくて良かった
とにかく
写真を頼りに
ふたりが
撮られていたであろうトコへ向かう
いや・・・この状況に気づいたら
さすがにふたりも
移動するハズ
それも逃げるなら
ゲートへ向かうだろう
左に向けてた足を
右に向き直し
ワールドバザールの
メインストリートへ
賑やかな雰囲気の中
ふたりを探すべく
目を凝らす
・・・が、
極端に騒がしいところがない・・・
ってコトは
まだ・・・
脱出すら出来てないのか?
振り返り
シンデレラ城の方に目を移す
すると・・・
和やかな空気を割る様に
風をきりながら
ワールドバザールへ入ってきた
カップルが目に入った
周りとは明らかに違う速度のふたり
ユノとチャンミンだ!!
駆け寄るつもりだったが・・・
囲まれてるわけでもなさそうだし
少し離れたトコで
様子をみる
まるで・・・
駄々を捏ねる子供が
親に手を引かれてる様な図
駄々っ子にほだされて
親も足を止めたようだ
何か・・・話してそうだが・・・
その間も
ファンに囲まれる様な
雰囲気はない
・・・というか
閉園間際で
ほかのゲストも
お土産を買ったり
最後に乗るアトラクションへ
向かうので忙しいんだろう
スマホへと
目を落とすと
SNSの書き込みも
恐れていた状態ではなく
普通に受け入れられてるどころか
むしろ
歓迎されてるコメントが多い
ん~・・・
オンナの考えてるコトは
よくわからんが・・・
どうやら・・・
『他の女に取られるよりはいい』
って事のようだ
コレ・・・結果オーライなのか?
色々な疑問は残るが
何にしろ
いま、ふたりは
『ふたり』でいるし
残す所・・・あと少しの時間
その時間くらい
満喫させてやりたいしな
安心した俺は
ふたりを待つべくゲートへと
足を向けたんだ・・・
はあ~・・・
ホント・・・長かった・・・
この今日という日
誰も・・・この俺の労力と疲労を
知ってるモノはいない現実
それが・・・より
俺の疲労感を増幅させてる気がする
「なぁ・・・なあ!
『お仕置き』って何?
俺・・・何されんの??」
「それは・・・後のお楽しみです」
「『お楽しみ』なのはお前だろ?」
「まあ・・・それはそうですね
でも・・・結局は貴方も
喜ぶコトなんじゃないですか?
クスっ」
「何だよ~!何されんだよ~!
教えろよぉー!」
「ああーーー!もお!
うるさいっ!!
お前ら
俺の存在忘れ過ぎだ!!
イチャつくなら
ホテルまで
我慢しろっ!!」
後部座席でわちゃるふたりに
一喝する
・・・ヨシ
静かになったな
「なあ・・・そういえばお前ら
俺への土産は?」
ビビらせ過ぎたか
静かになり過ぎた空気を
和ませようと
そう・・・聞いてみると・・・
「あ!!もちろん!
買ってきたよ!!
マネひょんも
色々と手配ありがとな!!
あと・・・心配かけてごめん!」
そう言いながら
ユノが助手席へディズニーの袋を
置いてくれた
「おお!
ホントに買ってきてくれたのか
ありがとな」
バックミラー越しに
声をかける
半分冗談で口にしただけだったから
買ってきてくれてた事が
妙に嬉しかった
信号が赤に変わった交差点
俺はその袋を開けた
中に入ってたのは・・・
・・・・・・・・・
神様・・・
今日1日の
俺の頑張りへのご褒美が
コレですか?
罰ゲームじゃなくて?
チャンミン・・・
ちゃんと
ユノを止めてくれよ・・・
fin


