空手キッズに贈る言葉

空手キッズに贈る言葉

子どもたちに向けた訓話の記録です。

Amebaでブログを始めよう!

みんなで唱和している会則に、「稽古することによって、努力の精神を養うこと」ってあるよね。
じゃあ「努力の精神」ってなんだろうか?
私が思う努力の精神というのは、「一つのことをコツコツと続けられること」です。

これって意外と難しいことで、世の中、なかなか続けられない人も多い。でもこの1年間頑張ってきたみんなは、結構できてる。
なぜかというと、努力をすると結果が伴ってくることを感覚的に分かっているからじゃないかな、と思う。

空手の稽古って毎回大体同じようなことの繰り返しだよね。初めたばかり、級が上がったばかりのときは、新しい動きや新しい型を練習するから新鮮だけど、普段の稽古は、同じ型を毎回何度も繰り返すでしょう。
でも、そうやって普段コツコツと努力していくと、試合で成果が出る。審査で合格する。そんな結果が出ることが分かっていれば、努力もできるというものだね。努力は裏切らないから。

みんなは、こうして空手で「努力の精神」を身に着けている。これは、これから先、中学に入って部活に取り組んだり、将来、社会に出て仕事をしたりするときに、必ず役に立ちます。世の中、成功している人はみんな努力しています。努力すれば必ず成功する、わけではないけど、成功した人は皆、努力している。努力が成功のための第一条件と言ってもいい。だから、すでに「努力の精神」を身に着けつつあるみんなの将来は明るいぞ!

 

新浦安空手古武道クラブ、令和5年2月8日稽古にて)

今日は、初めて道場に来る体験の子が多いので、礼の話をします。

空手の稽古では、礼儀、礼がとっても大事です。稽古の前、後に礼をします。

 

まず、正面に礼。これは、道場にいる神様に礼をしています。怪我をしませんように、今日も頑張るのでうまくなりますように。ここにはないけど、ちゃんとした道場や、公共施設でも昭和の頃に建てられた武道館だと、必ず神棚が祀ってあります。神棚がなくても、道場に神様がいらっしゃる。そういう気持ちで礼をします。

 

それから上席、先生に礼。教えてくれる先生にありがとう、と礼をするんだね。それから、お互いに礼もします。空手は、一人ではうまくなりません。必ず、一緒に練習してくれる友達がいるからうまくなります。一緒に練習してくれてありがとう、という礼です。

 

試合の時は、審判にも礼をします。これは買っても負けても、しっかり試合を見て審判してくださることに対する礼です。それから、試合コートに入るときも、道場に入るときも、礼をします。これは、神聖な場所ということで、感謝と敬意を示しています。

 

どれも、根底にあるのは感謝の気持です。感謝と敬意の気持ちが形になって現れるものが、礼です。

 

新浦安空手古武道クラブ、令和5年1月28日稽古にて)

「親しき仲にも礼儀あり」という言葉を聞いたことがあるかな?

日本語には、こういう礼儀に関する言葉が多くあります。琉成會会則にも「礼儀を重んじること」とあるよね。

これは、親しい仲だからといって、礼儀をおろそかにすると、そこから不和の原因になったりするから気をつけよう、という意味の言葉です。

 

みんなの親しい人、お父さん、お母さん、それから友達。お母さんに何かをしてもらったとき、たとえばお茶を入れてもらったり、おやつを出してもらったときに、黙って受け取ったりしてないかな? 家族の間でも、なにかしてもらったら「ありがとう」。何か迷惑をかけてしまったら「ごめんなさい」。こういう言葉を忘れないようにしようね。

 

友達同士の礼儀。たとえば、冗談を言い合えるような仲の良い関係だからといって、少しきつい冗談を言ったり「イジリ」をしたりすることがあるかもしれない。そんなとき、こちらが「あいつはシャレの分かるやつだから、こんくらい言っても大丈夫だろう」と考えていても、相手は傷ついているかもしれない。どこまでだったら許されるか、というのは一概に決めることは難しいけど、自分がこんな風に言われたら嫌だろうな、というような言葉や言い方はしないほうがいい。不用意な言葉で、長年の友情が壊れるようなことになったら、悲しいからね。

 

新浦安空手古武道クラブ、令和5年1月21日稽古にて)

先週は、空手の大会がありました。参加したみんな、おつかれさま。よく頑張ったね。この新浦安支部からも、優勝者が出ました。おめでとう!

 

さて、うまく結果が出て勝てた試合もあれば、負けた試合もありました。それで「勝ったから嬉しい」「負けたから悔しい」だけで終わらない。その試合で得たことを、次に活かす、自分の成長の糧とすることが大事だよ。

 

勝った勝負は、なんで勝てたんだろう? 逆に、負けた試合は、なんで負けたんだろう。「運が悪かったから」で終わらせてしまっては、成長できません。そりゃあもちろん、「勝負は時の運」という言葉もあるし、トーナメントだから組み合わせ運というのはある。でも優勝した人は、多分どの組み合わせでも勝ってたよね。だから、最終的には運のせいにしてはいけない。

 

勝者敗因を秘め、敗者勝因を蔵す」という言葉があります。

 

これはね、勝った人にも、負ける原因になったかもしれない失敗や弱点が隠れていたし、逆に負けた人にも、ここがうまくいってたら勝ってた、というポイントがある、ということなんだ。

 

この考え方は、空手だけじゃなくて、みんなのこれからの人生でも使えるよ。例えばこれから塾や学校でテストを受けたときに、「あ、○点だったな」だけで終わらずに、「どこで間違えたんだろう?」とちゃんと振り返れば、成績もどんどん上がっていくはずだよ。

 

だから今日は、先週の大会を振り返って、良かったところを確認して、うまくいかなかったところ、負けた原因を探して、次回の試合でいかせるように、反省しよう。先生はみんな、一人ひとりの動画をじっくり見て分析してきたからね。反省することのできるものだけが成長できる。

 

さあ、今日からまたがんばって稽古しよう!

 

新浦安空手古武道クラブ、令和4年5月14日稽古にて)

 

 

今日は、大会を明日に控えたみんなに、こんな言葉を贈りたい。

あるミュージシャンの名言とされている言葉です。

ステージに上がった時は、自分が一番上手いと思え。 ステージを降りている時は、自分は一番下手だと思え。

(注:ネット上ではエリック・クラプトンの名言とされていますが、根拠や引用元が全く不明なので言いません)

 

これは、練習の大切さと、本番のときの心構えを教えてくれる言葉だね。

 

練習のときに、「自分は結構できてるな」「うまいもんだ」なんて思っていると、真面目に練習しなくなります。こういうのを慢心と言います。だから、練習のときには、「自分は下手だ」「だから人の倍は練習しなきゃ!」と、こういう心持ちでがんばること。

 

逆に大会とか審査とか、本番のときにも「自分は下手だ」「相手の方がずっと上手そうだ…」なんて考えていると、縮こまっちゃって、普段の実力が出せなくなってしまう。

本番のときには、これまで自分が頑張ってきた稽古を思い出して、「これまであんなに頑張ってきた」「だから大丈夫」「俺はこの中で一番うまい!」という風に自身を持って臨もう!

 

泣いても笑っても、今日が最後の稽古日。本番で自分の「最強」を信じられるように、今日もしっかり稽古しよう!

 

新浦安空手古武道クラブ、令和4年5月7日稽古にて)