年末年始の連休ですっかり癖になった夜更かし。
この3連休もNetflixで,韓国ドラマ三昧の夜を過ごしております😅
Netflixのおかげで,以前ほど映画館に通わなくなりましたが,たまには大型スクリーンと大迫力音響の臨場感を体感したくて,正月明けの4日,今年初の映画を観てきました。

惹かれたのは,異なる2つの作品。
実在した人物の生涯に迫る…という共通点はあるものの,アプローチが全くの真逆。
悩んだ末に選択したのは,世界を震撼させたシリアルキラーの裏側に迫る『テッド・バンディ』
IQ160の頭脳と魅惑的なカリスマ性で女性を魅了し,衝撃的に残忍な方法で殺害,未だ被害者の本当の数は明らかになっていない。
本作では,凶悪でしかない殺人鬼の裏側にも在ったであろう人間性に,微かな光をあてようと試みたアプローチ法が興味深い。

法廷で次第に明らかになる悪魔的な所業。
テッド・バンディは,1989年に死刑執行されていることから,殺人が事実であったことは明白なのだが,その事実を知ってもなお,スクリーンの向こうのヒロイン同様,「彼は無実なのではないか?」と思ってしまう。
テッド・バンディという人物を深く知り,計算し尽くされた監督の術に,気持ちいいほど見事にハマった。
勿論,殺人鬼の心理など到底解らないが…彼にも人を愛する一面はあったのかも知れないと思う。
彼と暮らし,唯一命を奪われなかった女性。
「私をあなたから解放して」
殺人鬼の呪縛から解き放つことが,彼女にしてやれる最後の愛情なのだ…と悟ったからこそ,彼は彼女に真実を告白したのではないか?
誰もが普通に営んでいく平凡な暮らし。
彼は彼なりに…幸せを続けるため,殺人という残虐性を持つことで精神のバランスを秤っていたのかも知れない。
そんなことを思ったら不謹慎だろうが,そうでも思わなければやり切れないほど,ざらつく後味の映画なのである。