愛の試練を越えてⅢ〜完結〜
2008年10月22日
快晴。
青い空の下で
教会を前にして
『ペプチド結合』が行われていた。
まわりには祝福し、
式に協力したアミノ酸たち。
その中にいる幸せそうな男女。
tRNAとmRNAだった。
2人の間に
1つの命が誕生していた。
質たんぱくんだ。
彼はのちにアメリカに留学し、
名前が変わり
かの有名な、
『たんぱく質』となるのだった。
完
原作:ゆりえつちや
企画編集:まいしみず
2008/10/21
愛の試練を越えてⅡ
ある日、
この生活に嫌気がさしたmRNAは
ついに『細胞質』へ出て行くことにした。
細胞質の世界で、
荒れ果てているmRNAはいつしか
若者達の溜り場
『リボソーム』にたむろしていた。
そこにある若い男が現われた。
彼の名は『tRNA』
裏組織との取り引きをしていることから、
『運搬RNA』と呼ばれていた。
tRNAは今日も
仲間の『アミノ酸』を連れて
リボソームに集まっていた。
すると
アミノ酸たちは、
他とは何か違うオーラを放つ女に目がいった。
その女こそが
mRNAだった。
優秀な遺伝情報をもっている彼女は、
すぐにまわりの人気者となった。
アミノ酸たちは
そんなmRNAと友達になり、
『アミノ配列』をつくった。
そこへ足音がした。
アミノ酸の友達、
tRNAが現われた。
2人は一瞬にして恋に落ちた。
続く
愛の試練を越えてⅠ
2008年10月21日
ある晴れた日のこと。
成田の一角に、
品格のある大きな家があった。
そこには格式高い華族が住んでいた。
一家の名は‥
そう。
『DNA』
今日、DNA家に新たな命が生まれた。
町は大騒ぎになり
「両親とも優秀だから、
きっとこの子の遺伝情報も
すごいにちがいない!」
と、噂が絶えなかった。
その矢先だった。
父親の会社の倒産で
家庭は崩壊状態になった。
そして‥‥
両親は子供を手放すことを決意。
そこからが、波乱な人生の始まりだった。
子供を引き取りたいと申しでたのは
町一番の不良家庭
『RNA』だった。
DNAは泣く泣く子を『転写』した。
優秀な遺伝情報をもっている、その子を‥。
RNAのしつけは最悪だった。
その子にRNA家の、
『スプライシング』という、
一家特有のひどいしつけをした。
その子は
『mRNA』と名付けられた。
あだ名は『伝令RNA』だった。
続く