「ね。もうラーメン冷めちゃうよ。」

「だって、胡椒が来ないんだもん。」

「食っちゃえば?」

「いや!待つよ。おれは。胡椒が入って初めてここのラーメンは完成するからね!」

「ふぅん。伸びても知らないよ。」

「そろそろ来るでしょ。」

「ねぇ、天使と悪魔のラーメンの話知ってる?」

「何それ?」

「天使と悪魔の前にそれぞれラーメンがあります。でも箸がありませんでした。周りを見回しても箸はありません。天使は箸が来るまで待つことにしました。悪魔は箸なんて待っても来ないと考え、手で食べ始めました。天使はそんな下品な悪魔を横目に、ずっと箸を待っていました。だけど待てども待てども箸は来ません。悪魔はラーメンを食べ終え、去ってしまいました。箸はまだ来ません。やがてラーメンは伸び、すっかり冷め切ってしまいました。それでも天使は箸が来るのを待ち続けました。それでもやっぱり箸は来ません。やがてラーメンは腐ってしまいました。」

「ふーん。で?」

「いや、この話聞いて何も感じなかったの?」

「何で天使と悪魔なんだろうって感じた。」

「なんでだろうね。ギャップってやつじゃん?」

「天使と悪魔ってラーメンなんて食わなさそうなのにって言う?」

「そう。西欧の文化から誕生した天使と悪魔が、儒教の国中国の食文化を取り入れてるって言うね。」

「つまり、中国の食文化にインドのスパイスを入れるなって言いたいの?」

「いや、そういうことじゃなくて。」