それぞれの業界で比較的小さな会社が生き残り、大きな会社が危機を迎えることがある。日本の自動車会社は、世界でも巨大な会社であることはしられている。自動車会社では、業界二位の日産自動車が倒産寸前にまで陥り、危機を迎えたことがある一方、スズキ自動車は結構上手に生き残ってきた。なぜこの小さな自動車会社がげんきなのであろうか。
自動車会社に関わらず、業界で小さい会社は大きな会社と同じことをしてはいけないのである。「規模の利益」つまり生産量が増えれば、一つ当たりのコストは小さくなるから、大きな会社ほど儲かることになる。この場合、価格競争で勝利することができるので、大きな会社が有利なのである。
したがって、規模の小さな会社は、大手の会社が手を出さない分野へ進出しなければならない。それがスズキの場合は、軽自動車でありこれに特化したことが成功の理由である。さらにスズキは大手の企業が嫌がるインドへの進出を果たして成功した。現在インドで走る車の二台に一台はスズキの車である。
かつて家電業界最下位の日本電気は、同業他社がコンピュータに進出するのをためらったのを見てコンピュータ部門に進出し大成功を収めたのである。