TOMINO CODE

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ガンダムといえば老若男女を問わず多くの人がその名を知っている有名なロボットアニメの一つである。しかし、そのアニメのストーリーや登場メカがユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖典である聖書の記述と関係があると言ったら驚かないだろうか?

トピック20

「イデオンとイデとクリスマス」

 

 イデオンの物語には「イデ」というキーワードがあり、物語の根幹になっている。高度な科学文明を発達させた知的生命体(異星人=第六文明人)は、精神エネルギーの利用を考えていた。

 

「精神エネルギーを物質エネルギーに転化する金属・イデオナイトを開発し、それをとり入れた巨大な乗物イデオンとソロシップを建造した。しかし、このシステムの力は、第六文明人の想像を超えるものだった。実験的にはコントロールできたが、数億に及ぶ第六文明人の意志を結集した時、爆発的に始動してしまったのである。

 精神エネルギーによる「意志の場」を作ることにとどまらず、第六文明人すべての意志を吸収しつくしたのだ。こうして誕生したのが”イデ”である。”イデ”ができた時、”イデ”本体は自身のパワーを知らなかったために、第六文明人を滅ぼしてしまったともいえる。」「THE IDEON」映画パンフレット

 

 「イデ」のビジュアル(イデオンやソロシップのブリッジその他、各所のイデのゲージ)は、SF小説・映画の『2001年宇宙の旅』(1968年)に登場するHAL 9000 (人工知能)のカメラ・アイに似ている。また、ガンダムのニュータイプ論に通じる人間の精神的飛躍やイデオンの宗教観、或いは神概念が描かれる部分は、立花隆の「宇宙からの帰還」(1983年刊行)の中に見られる(しかし、刊行がガンダム、イデオン公開の後である。立花隆はアニメの影響を受けたのか?)。

 富野監督はイデについて「イドの怪物と同じだと考えて下さい」(アニメ雑誌「アニメック」のインタビュー)と言っている。

「イドの怪物」とは、SF映画「禁断の惑星」(1956年、アメリカ)に登場する怪物で、潜在意識の破壊的な欲望が古代文明クレール人の装置によって増幅され、目に見える怪物として現れたのだ。「イド」とはフロイト心理学でいう無意識の欲望や衝動を指す概念。後の作品「スター・トレック」や「2001年宇宙の旅」にも影響を与えたとされる。

「イデ」という名称は「イド」から引いたのかも知れない。

 ここまでは、さほど驚くものではない。驚くべきなのは、ここからである! 

 

「インテリジェント・デザイン(英: intelligent design)とは、生物や宇宙の構造の複雑さや緻密さを根拠に、「知性ある何か」によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする理論。しばしばID、ID論と略される。またID論を主張する人物をIDer(インテリジェント・デザイナー)と呼ぶ。

『宇宙・自然界にみられる精巧さや複雑さは機械的・非人称的な自然的要因だけではすべての説明はできず、そこには「デザイン」すなわち構想、意図、意志、目的といったものが働いていることを科学として認めよう』という理論・運動である。

 創造論とインテリジェント・デザインは似ているがやや異なっている。創造論は、クリスチャン(やムスリムなど)が聖書(やクルアーンなど)を信じ「聖書は神ヤハウェの言葉であり、聖書の記述は全て正しい。創世記に書かれている天地創造や生命の創造に関する記述も正しい。よって宇宙も地球も地球上の生命もすべて神ヤハウェによって創造された」と信じて自然を眺める考え方である。それに対してインテリジェント・デザインは、まず自然の領域を積極的に観察することから出発し、生命の中に精妙さ、高度さがあることを認め、驚嘆し、そこから「こんなに精妙なことは自然に起きるはずがない。だとすると、地球上の生命は知能の高い設計者によってデザインされたはずだ。この精妙さは、知能ある何かが関与した証拠だ」という推論を行い結論に達するという考え方である。よって、両者は思考のスタートが異なっているが、生命は誰かによって設計されたという点で同じ結論に至る。

 近代においては18世紀の弁証論者ウィリアム・ペイリーが提唱したとされている。ペイリーは、正確に時を刻む精巧な懐中時計から時計職人の存在が連想されるように、自然界の秩序と複雑性から宇宙の設計者の存在を連想せずにいられないと主張した。

 1990年代にはアメリカの反進化論団体、一部の科学者などが提唱。一例としてリーハイ大学の教授マイケル・ベーエがいる。」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』インテリジェント・デザイン)

 

 インテリジェント・デザイン、ID論。イデオンの物語の中で人類の創造者を「イデ(IDE)」と呼ぶ。イデは意志を持ち、時には母親のような母性本能も示す。イデは宇宙の中で知的生命体を再生するために奔走した。インテリジェント・デザインとして語られる理論は、「イデ」のことを説明しているかのように思えるほどである。イデオンは1980年公開であり、インテリジェント・デザイン(名称)は1990年代からである。

 イデオンの物語の中では、人々が謎のエネルギー源を持つイデオンやソロシップを目の当たりにしたとき、宇宙で高度な文明を築いた先人と、「イデ」の存在を知った。インテリジェント・デザインでも、宇宙・自然界にみられる精巧さ、そこに「デザイン」すなわち構想、意図、意志、目的を発見していく。ほぼほぼ同じではないか? 名称もかなり近い(ID≒IDE)。これはもう同一といっていいほどだ。

 イデオンは無意識の世界を介して実際の世界に影響を与えたのだろうか? そういうことが可能なのだろうか? これもまた「イデのなさしめる技!」だというのか? そもそも、この世はどこから見ても神秘的である。原子の世界、生命の世界、宇宙どこを切っても神秘だが、人々は普段の生活の中では、あまり考えないようにしているのだろう。

 

 クリスマスと言えば、赤と緑のポインセチア。クリスマスが近くなると花屋に出回ることから「クリスマスフラワー」とも呼ばれる。イデオンは「トミノコード」で言えば、エバ、イエスなどに対応している。イデオンを粉砕し、人々を因果地平へと昇華したガンドロワの加粒子砲は赤と緑の光で表現され、その際の演出上のサブリミナル効果も、赤色と緑色が激しく切り替わる感じだった。ガンドロワ自体のカラーリングも、赤系と緑系のツートンの迷彩色だと言えないこともない。

 因果地平ではメシアが誕生し、みんなでハッピーバースデーの歌を歌う。それは新しい生命の種となる人々の意識体の誕生を祝う歌でもあった。イエスの愛の教えが十字架から世界に拡散して、世界で赤と緑のイメージカラーのクリスマスが祝われる。イデオンの粉砕の際の色と同じに。

 やはり、この世は神秘的なのだろう。そう思う。