まずはじめに、すべてのブログ内容はあくまでも「個人的な見解」であることを明記しておく。
では、つづきを・・・
【Q2】なぜ「湿し水は弱酸性が良い」のか?
代表的な要因として・・・
①油性インキ中に含まれる乾燥促進剤(通称ドライヤー)は湿し水がアルカリ性だと促進効果を阻害され乾燥不良の原因となる
②UVインキ中に含まれる反応硬化剤および増感剤はアルカリ性のため、アルカリ性の湿し水とは仲良くなりやすく、過乳化しやすい(らしい、資材屋さん情報)
③刷版の画線部の親油性維持(刷版はそもそもアルカリ性現像液で処理されており、弱酸性でなければ画線部の耐刷力を維持出来ない)
④刷版の非画線部の親水性(保水性)維持(理由は③とほぼ同じ意味)
と、当然だがここで疑問が生じる。
ではエッチ液とはなんの為にあるのか?
湿し水の「濡れ性(親水性)」を向上し、刷版の親水性および保水力UPと湿し水の表面張力を下げ、インキの適正乳化を促し、pH値を弱酸性にするためのものである。
濡れ性を向上させる意味は「刷版が濡れやすくなることで均一な水膜」ができること、「表面張力が下がることで薄い水膜」ができること、そうすることで安定した湿し水の供給が出来るようになり、過剰な湿し水の供給を抑制することが出来るのである。
では、そもそも水が多いとなぜいけないのか?
順番に列挙すると、まずインキが過乳化する、インキの濃度不足およびローラーストリッピングの原因となる、インキの転移不良が発生する、インキの素抜けが発生する、インキの光沢が無くなる、インキの乾燥(硬化)不良となる。
また、刷版に湿し水が多すぎるとブランケットには転移した余計な湿し水が溜まる、溜まった湿し水は紙に転移する、紙の伸縮に影響を与える、見当精度が悪くなる、紙の表面強度が悪くなり紙ムケしたりする、紙面に湿し水が転移することで本来転移するはずだったインキの転移を阻害する、などなど・・・。
では、エッチ液の添加量が増えるとなぜいけないのか?
エッチ液の効果のひとつにインキと水の適正乳化(エマルジョン)を促すという機能があり、適正添加量であればインキと湿し水のバランスはバターなどに代表される油中水滴型(適正乳化)となるように設計されており印刷適正良好の状態を維持出来るが、過剰添加量となるとインキと水のバランスがマヨネーズのような水中油滴型(過乳化)となり各種印刷障害が発生してしまう。
また、エッチ液の成分には水中で発生するバクテリアの大好物が含まれている為、単純に言うと湿し水が腐りやすくなり、これまた湿し水には当然悪影響を与える要因となる。
以上のことから、大雑把ではあるが湿し水は弱酸性が良いのである。
湿し水編③につづく
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