こんにちは!
転職を考えているとき、ふと気になりませんか?
「あ…iDeCo、どうなるんだろう」
せっかく積み立ててきたのに、転職したら使えなくなる? 資産は消えてしまうの? 手続きって何が必要?
そんな疑問、全部まとめて答えていきます。
結論から言うと、転職してもiDeCoは原則続けられます!ただし、転職先の状況によってやることが変わってくるので、しっかり確認しておくことが大事です。今回は問答形式でわかりやすく解説しますね。
■ そもそもiDeCoって転職したらどうなるの?
Q. 転職したら積み立てていたお金はどうなりますか?
A. 安心してください。これまで積み立ててきたiDeCoの資産は、転職しても消えません。iDeCo(個人型確定拠出年金)はポータビリティ(持ち運べる性質)があるので、転職先の制度に応じて資産を移換したり、そのまま継続したりすることができます。
ただし、何もしなくてOKではありません。転職したら、必ず手続きが必要です。放置していると思わぬ損をするので、この記事を最後まで読んでくださいね!
Q. 転職後にiDeCoを続けるかどうか、自分で選べますか?
A. ある程度は選べますが、転職先の会社にどんな年金制度があるかによって選択肢が変わってきます。大きく分けると以下の4つのパターンがあります。
①転職先に企業型DC(企業型確定拠出年金)がある場合 ②転職先に企業型DCがない場合 ③自営業・フリーランスになる場合 ④無職になる(離職)場合
それぞれ詳しく解説していきますね。
■ ケース① 転職先に企業型DC(企業型確定拠出年金)がある場合
Q. 転職先が企業型DCを導入している会社でした。iDeCoはどうなりますか?
A. このケースでは、主に3つの選択肢があります。
【選択肢1】iDeCoの資産を企業型DCへ移換する これまでiDeCoに積み立てた資産を、転職先の企業型DCにそのまま移すことができます。以後は会社が掛金を負担してくれるので、自分の手出しが減るのがメリットです。ただし、運用できる商品のラインナップが変わることがある点には注意が必要です。
【選択肢2】iDeCoと企業型DCを併用する 転職先の会社がiDeCoとの併用を認めている場合、両方に加入することもできます。会社が認めているかどうかが前提になるので、まず人事・総務に確認しましょう。なお、マッチング拠出制度を利用している場合は併用できません。
【選択肢3】iDeCoを運用指図者として継続する 掛金の積み立てはせず、これまでの資産だけを運用し続ける「運用指図者」という状態でiDeCoを継続することも可能です。ただし、手数料はかかり続けるため、長期間この状態になるのはあまりおすすめできません。
Q. 企業型DCにiDeCoを移すとき、具体的に何をすればいいですか?
A. 主な手順は以下の2ステップです。
①iDeCoの「加入者資格喪失届(K-015)」を運営管理機関(今使っている金融機関)に提出する ②転職先の担当者(人事・総務)に企業型DCへの移換手続きを確認・依頼する
添付書類が必要な場合もあるので、転職先の担当者に事前に確認しておくとスムーズです。
重要なのは、退職翌日から6か月以内に手続きをすることです。6か月を過ぎると「自動移換」という状態になり、手数料がかかるうえに運用もできなくなります(詳しくは後述します)。
■ ケース② 転職先に企業型DCがない場合
Q. 転職先に企業型DCがない会社に就職します。iDeCoはそのまま続けられますか?
A. はい、そのまま続けられます!会社員として転職する場合、国民年金の被保険者種別は「第2号被保険者」のままです。ただし、勤務先が変わるので「加入者登録情報変更届」という書類をiDeCoの運営管理機関に提出する必要があります。
しかも、2024年12月からの制度改正により、転職先に「事業主証明書」を書いてもらう手続きが不要になりました!個人口座から掛金を拠出する場合は、勤務先への申請なしに手続きできるようになったので、以前よりずっと手続きが楽になっています。
なお、企業年金制度がない会社員の掛金上限は月額23,000円(年額276,000円)で、転職前と変わらず積み立てを続けることができます。
■ ケース③ 自営業・フリーランスになる場合
Q. 転職ではなく、独立してフリーランスになります。iDeCoはどうなりますか?
A. フリーランス・自営業になってもiDeCoは続けられます。ただし、国民年金の被保険者種別が「第2号被保険者(会社員)」から「第1号被保険者(自営業等)」に変わるので、種別変更の手続きが必要です。運営管理機関に「加入者被保険者種別変更届(第1号被保険者用)」を取り寄せて提出します。
フリーランスになると、iDeCoの掛金上限が大幅に上がります。会社員時代の最大23,000円から、最大68,000円(年額816,000円)まで積み立てられるようになります(国民年金基金・付加保険料との合算)。老後の年金が国民年金のみになる分、iDeCoで積極的に備えられるのがフリーランスの大きなメリットです。
■ ケース④ 転職活動中・無職になる場合
Q. 退職して、しばらく転職活動をする予定です。その間iDeCoはどうなりますか?
A. 退職して無職になってもiDeCoを続けることができます。ただし、国民年金の被保険者種別が変わるため、被保険者種別の変更手続きが必要です。なお、無職中は国民年金保険料を自分で支払うことになります。免除申請をしている場合は、iDeCoの掛金拠出も停止になります。
収入がない状況では所得控除の恩恵を受けられないため、掛金を減らすか、拠出停止も選択肢に入れましょう。拠出を停止しても、これまでの資産はそのまま残ります。ただし手数料はかかり続ける点は注意が必要です。
■ 「放置」は絶対NG! 自動移換の怖い話
Q. 転職の手続きが忙しくて、iDeCoをしばらく放置したらどうなりますか?
A. これが一番やってはいけないパターンです。企業型DCに加入していた方が退職後6か月以内に移換手続きをしなかった場合、資産が自動的に「国民年金基金連合会」に移換されます。これを「自動移換」といいます。
自動移換のデメリットは以下のとおりです。移換時に手数料4,000円以上が一括で引かれ、その後も毎月約50円の手数料が資産から引かれ続けます。さらに現金化されてしまうため運用が一切できなくなり、自動移換されている期間は確定拠出年金の「加入期間」にカウントされません。
この最後のポイントが特に重要です。iDeCoは原則、加入期間が10年以上ないと60歳での受け取りができません。加入期間が短い方が自動移換になってしまうと、受給開始年齢がさらに遅くなる可能性があります。転職時はただでさえ忙しいですが、iDeCoの手続きだけは後回しにしないようにしましょう。
■ 2024年12月からの制度改正ポイントまとめ
Q. 最近iDeCoの制度が変わったと聞きました。何が変わったんですか?
A. 2024年12月から、iDeCoの制度が大きく変わりました。主なポイントは2つです。
【変更点①】掛金の上限が引き上げられた 公務員・企業年金(DB)に加入している会社員の掛金上限が、月額1万2,000円から月額2万円に引き上げられました。ただし、iDeCoの掛金と企業年金の掛金の合計が月額5万5,000円を超えることはできません。企業年金の掛金額によっては、iDeCoの実際の上限が2万円を下回るケースもあります。
【変更点②】事業主証明書が不要になった 会社員・公務員がiDeCoに加入・転職する際に、勤務先に「事業主証明書」を書いてもらう手続きが廃止されました。個人口座から掛金を拠出する場合は勤め先への申請なしで手続きできるようになり、転職時の手続きがシンプルになっています。
Q. 今後さらに制度が変わる予定はありますか?
A. はい、あります。2025年度税制改正大綱により、今後さらなる改正が予定されています。掛金の上限額がさらに引き上げられる見込みで、自営業者は月額7万5,000円、企業年金なし会社員は月額6万2,000円などへの引き上げが予定されています。また、加入可能年齢も65歳未満から70歳未満に拡大される予定です。iDeCoはますます使いやすい制度になっていくので、改正の時期が近づいたら改めてチェックしてみてください。
■ 転職が決まったら確認すること
Q. 転職が決まったら、iDeCoに関して何から確認すればいいですか?
A. 転職が決まったら、まずこの3点を確認しましょう。
①転職先に企業型DC(企業型確定拠出年金)はあるか? 人事・総務部門に確認を。なければiDeCoをそのまま継続できます。
②転職先がiDeCoとの併用を認めているか? 企業型DCがある場合でも、iDeCoとの併用を認めている会社もあります。こちらも人事に確認しましょう。
③現在のiDeCoの運営管理機関(金融機関)に連絡する。転職後の状況が決まったら、必要な手続き書類を取り寄せます。オンラインで手続きできる機関も増えています。
退職後6か月以内に手続きを完了させることが大前提です。これだけ守れば、あとは焦らず進められます。
■ まとめ
転職してもiDeCoの資産は消えません。大切なのは「転職先の年金制度を確認して、退職後6か月以内に必要な手続きをする」この2点だけです。手続きを後回しにして自動移換になってしまうと、手数料が引かれ続けるうえに運用もできなくなります。せっかく積み立ててきた老後のお金ですから、転職のバタバタの中でも、iDeCoだけは忘れずに対応しましょう。
また、2024年12月の制度改正で手続きがだいぶ楽になっています。特に「事業主証明書が不要になった」のは転職時の大きな負担軽減です。これからiDeCoを始めようと思っている方も、転職のタイミングはむしろチャンスかもしれません。ぜひ、自分の状況に合ったiDeCoの活用法を見直してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
【この記事のポイントまとめ】
・転職後もiDeCoの資産は消えない(ポータビリティあり) ・転職先に企業型DCがあるかどうかで手続きが変わる ・退職後6か月以内に手続きをしないと「自動移換」になる ・自動移換になると手数料が引かれ、運用もできなくなる ・2024年12月の改正で事業主証明書が不要になり手続きが楽に ・公務員・企業年金加入者の掛金上限が月1万2千円→2万円に引き上げ ・フリーランスになると掛金上限が最大月6万8千円になる