昨日は原発再稼働に関しての橋下市長の行動や言動に危うさを感じると書いた。
今回はリスクとどう付き合うべきかを書きたい。
原発再稼働の問題が出た時にボクは狂牛病騒動を思い出した。
「このままの検査体制でも新型クロイツェルトヤコブ病に罹患する人は、将来ゼロ.数%にも満たないのです。」という国の見解に対して、「ゼロではないのだら全頭検査すべき」とう理論がとおって、億の金を使って全頭検査が実施された。
原発再開の議論のなかで、リスク管理の部分では、この前の大阪府市統合本部の会議に呼ばれた関電職員の説明に際して、委員である河合弘之氏は、事故の際の指揮拠点となる免震事務棟や、放射性物質を減らすフィルター付きベント装置などの対策が完成する前に、大飯原発を再稼働させようとする関電の姿勢を問題視しし、「死んでおわびするのか」と厳しく追及したようである。
恫喝ともとれる「死んでおわび」などと発言する委員は、はっきり言ってヤクザと同等である。
断っておくがボクは関電側の人間ではない。
危ないところは「危ない」と科学者も隠すことなく述べるべきである。
ただ将来どうなるかも分からない。
それを予想し、現状に置いての最善策をどうするかを考えるのが科学の力であり、人類の英知である。
下の表は我が国の死亡統計である。
亡くなる方の30%は癌である。交通事故で亡くなる確率は年間で1万分の1。
ちなみに、福島原発事故で亡くなった方はゼロ。(もちろん、原発による放射能汚染を避けるために強制的に避難させられたためにストレスから亡くなった方はゼロではない。)
表 我が国における死亡の各種要因
平成12 年
| 死 因 | 人口10 万人あたり の年間死亡数(人) | 個人年間死亡率 (1/年) | 死亡割合(%) |
| 全死因 | 765.6 | 7.7×10-3 | 100.0 |
| 疾病合計 | 706.8 | 7.1×10-3 | 92.3 |
| がん(悪性新生物) | 235.2 | 2.4×10-3 | 30.7 |
| 心疾患 | 116.8 | 1.2×10-3 | 15.3 |
| 脳血管疾患 | 105.5 | 1.1×10-3 | 13.8 |
| 肺炎 | 69.2 | 6.9×10-4 | 9.0 |
| 老衰 | 16.9 | 1.7×10-4 | 2.2 |
| 腎不全 | 13.7 | 1.4×10-4 | 1.8 |
| 肝疾患 | 12.8 | 1.3×10-4 | 1.7 |
| 慢性閉塞性肺疾患 | 10.2 | 1.0×10-4 | 1.3 |
| 糖尿病 | 9.8 | 9.8×10-5 | 1.3 |
| その他の疾患 | 116.7 | 1.2×10-3 | 15.2 |
| 不慮の事故合計 | 31.4 | 3.1×10-4 | 4.1 |
| 交通事故 | 10.2 | 1.0×10-4 | 1.3 |
| 転倒・転落 | 5.0 | 5.0×10-5 | 0.7 |
| 溺水・溺死 | 4.8 | 4.8×10-5 | 0.6 |
| 窒息 | 6.2 | 6.2×10-5 | 0.8 |
| 火災 | 1.1 | 1.1×10-5 | 0.1 |
| 有害物質による中毒 | 0.5 | 5.0×10-6 | 0.1 |
| その他 | 3.7 | 1.0×10-4 | 0.5 |
| 自殺 | 24.1 | 2.4×10-4 | 3.1 |
| 他殺 | 0.6 | 6.0×10-6 | 0.1 |
| その他外因 | 2.6 | 2.6×10-5 | 0.3 |
(出典:厚生労働省 人口動態統計)
人は古来からリスクとベネフィットを天秤に掛け生きてきた。
虎穴にいらずんば虎児を得ず。
「原発を交通事故と同じにするな」という理屈ははリスク論が分かっていない感情論である。
Aを止めれば別のリスクが生じるのは自明の理である。
ところが、厄介なことに別のリスクが直接目に見えないことがある。
ここに、ゼロリスク追及の危険性が出てくる。
家が火事になったら大変と資産価値1、000万の家屋に数億の保険をかける人はいない。
自分の懐が痛むからである。
原発を止めているだけで年間“兆”を超える金が消えていくと聞く。
廃炉にするには長期間と莫大なお金がかかる。
また、火力発電はその原材料を化石燃料に頼っている。LPガスは高騰しているようである。
我々が汗水たらして働いた金が中東の大金持ちに貢がれているわけである。
資源の乏しい我が国が豊かに暮らすためには、現在のところ原子力に頼らざるを得ない。
原子力は危ないものではあるが、英知を集めてリスクは最小限に抑えられている。
そもそもの福島原発事故は地震によるものではなく、津波により電源を失ったことによる。
ただここまで書いていて、橋下氏は“危ないけれども我慢して原子力を当分の間使いましょう”と国民に説明しなかった政府にダメ出しをしたかったのかと思った。
はっきり書くと、烏合の衆に迎合するような政治(家)はダメである。
結論として、危ないけれども便利に使っているものはたくさんある。どこまでそのリスクを受け入れるかが問題で、原子力を受け入れないとなれば、ゼロではなく多大な負債を抱えることになる覚悟も必要である。
右も怖いし、左もいやではTショットは打てない!(無理やりゴルフに結びつけた?)