よく、レストランで料理が運ばれてくるたびに
写真を撮っているひとをみかける。
味は伝わらなくても、せめて写真だけ。というひと。
誰かに紹介したい。というひと。
色がきれい。デコレーションが美しい。というひと。
写真を撮る理由はさまざまにある。
写真として残すことは、記憶に残すことより、
はるか鮮明に思い出すことができ、
伝えることができる。
料理は、「目」でも食べる。
料理は、「鼻」でも食べる
。
つまり食べるとは「五感」で感じることであり
記憶は「五感」にとどまる。
料理の写真を撮るということは、
「見る」という感覚で疑似的に食べるということを
後に表現することの入り口である。
料理の写真には、なるべく「五感」を盛り込みたい。
「湯気」「艶(つや)」「配列・盛り付け」「食器」・・・
運ばれてきた料理を全体アングルだけで撮影するだけでは
料理人に失礼である。
撮影の際には、
写真を撮って大丈夫か? シャッター音が周囲の雰囲気を壊さないか?
十分に配慮したいものである。