蔵人のヒマジンな時間 -96ページ目

夏の終わり



夏。

波打つアスファルト。

自転車のタイヤが

必死に着地点を探している。

日差しを浴びた

僕の顔が肩が四肢が

熱を帯びるたび

火照るカラダから

何かが消え去っていく。

ぎらついた太陽。

ビタミンDと引きかえに

僕は何を失っているのだろう?




短命を嘆く蝉の合唱が

季節を夏から秋へと追いやる前に

無防備に解き放たれる鮮やかな生命を

印画紙の中に封じ込める。

二度と巡り合えないその刹那を

必死にかきあつめる。




湿った緑の風。

木々の囁きに耳を傾ける。

でもその声は僕に届かない。

この時期の僕はいつも

身体から抜け出でた

足りない何かを探し始める。