彼女から貰ったものは沢山のいっぱいの幸せ
それと同時に死へ導きられる時間。
テレビドラマぢゃあるまいし……
発症して5年
幾度となく逝きそうになる彼女を
医者や看護師が引き戻してくれた
僕はなんて無力なんだろう…
医術もなければ
あの遮蔽された部屋で付き添う事も出来ない
彼女の人生の中に僕は必要なのだろか
余命宣告されても彼女はこう言うんだ
『治ったら赤ちゃんが欲しいと』
その為に抗がん剤には手を出さなかった
移植も2回失敗しても
治す為にありとあらゆる治療、治験を繰り返して
彼女は笑いながら『私がモルモットになって良い結果が出れば同じ病気で苦しんでる人が救われるかもよ』って
でも今は彼女に効果のある薬はない
抗がん剤を投与し始めたけれど一向に効き目がない
あの長くて綺麗な髪も今では
僕は夢も希望も見れない
僕は彼女がそれを終える時
共に逝こう
それが僕とって幸せな事なのだから
卯月に咲き誇る華の言霊は聲