2月1日、とうとう面接の日がやってきました。
ハチと会うのは4回目、2人で会うのは初めてでした。
彼のアトリエではなく、アトリエから徒歩数分のアパレルメーカーの会社で待ち合わせをしていました。
その会社と彼のブランドラインがあったので、そこも見せてくれるということでした。
社内を見学し、面接が始まりました。
面接というよりはハチの中では私を雇うことはもう決めていて、業務内容の説明という感じでした。
彼は仕事の説明をしているだけなのに、何故か全力で口説かれているような不思議な感覚に陥り、自分で自分を戒め仕事の話に集中し直す必要がありました。
2時間くらいはぶっ続けで話をしていたように思います。
そして彼の掲げている目標が、私の子供の頃からの夢と同じだとわかったのです。
私は物心ついた時から、マザーテレサのように人を救う施設を作ることを決めていました。
でも実際に何をしていいのかわからず、自分の生活に追われて、宝くじが当たったらそのお金で実行しようと思いつつ、宝くじすら買ったことがないという矛盾した状況でした。
そんな中、ハチは実際に行動に移している、ビジョンを持っている、、!!
私は彼と一緒にこの目標を達成する!
(ハチの禁酒の理由が目標を達成するまでだったので、私もその日まで禁酒することに決めました)
魂が喜んで共鳴し出すのを感じました。
仕事内容の説明があらかた済み、
“アトリエに行こっか”
とハチが言いました。
ビルの外に出ると雨が降っていました。
私しか傘を持っていなかったので、2人で1つの傘に入ってアトリエへ向かいました。
話し疲れたのか、移動中はほとんど無言でしたが彼の隣にいると居心地がよく自然でした。
(私は誰かと2人の時に無言になるのが耐えられない性質なので、これはすごく珍しいことでした)
アトリエに着いてから、何をしたかほとんど記憶にないのですがハチがピアノを弾くのを聞いていたように思います。
その時すでに2人でいることが当たり前のように感じていて、家族といるよりも居心地がよく自宅にいるように寛いでいました。
“俺、今まで出会った人の中で結婚すると思う”
唐突にハチが言いました。
それを私はプロポーズの言葉のように聞いていました。
なんと答えたか覚えていませんか、心の中で
“そうだね”
と応えていました。
その日の夜、眠ろうと思って布団に入ると唐突に不思議な音が聞こえてきました。
人生のページがめくれる音と表現したらいいでしょうか。
実際にはすごく静かなのですが、頭の奥でその音が聞こえました。
次元が入れ替わるような、引力に引っ張られるような感覚になり必死に布団にしがみつきながら心の中はシンと静まり返り、魂の声が教えてくれました。
“おめでとう、今日から人生が変わるよ”
