🦋前話

🦄前話



🦄家を探していた僕は

いくつかの物件を見たあと「ここなら」と思えるところを見つけて賃貸契約をした


かなり古いけれど1人で暮らすには充分な広さだし車庫もある


両隣に家はあるけれど昼間ならなんとか練習やリハーサルで音を出すことは出来そうだった



…その頃君も新しい部屋を契約したと言っていた



僕のパートナーは古い家を見て

寒そうだから絶対にコタツは必要!と言って

一緒にホームセンターに見に行きコタツを買ってくれた


パートナーの子供も何故か僕の引越に乗り気で

自分の部屋はあるのかと聞いてきたりした



そして休みの日

実家から必要最低限の物を持ち出し自分の車で新居に運んだ


初めて新居で寝る夜

ランチ会のグループに新居の夜の写真を送ったらみんなに「こわーい赤ちゃん泣き」と言われたネガティブ


確かに部屋の壁は濃い茶色の木目だし

リビングの天井の照明はまだつけていないし

薄暗い写真だった


けれど僕は新居での初めての夜にウキウキしていた


この年でやっと本当に自立出来た気分だった





数日後のランチ会の日

食事をしたあと君と仲間が僕の新居を見にきた


家の中を見て回ったりコーヒーを淹れて飲んだりした


幸せな時間だった


こんなふうにこれから

ミュージシャン仲間がここに出入りすることになると思うとワクワクもするし

君もきっとその中に入ってると思うとなんだかウキウキした




それから程なくして


僕はパートナーに別れを告げた

 


パートナーにしてみたら

喧嘩などのキッカケも無くて驚いただろうし

逆にキッカケが無い事が余計に不満みたいだった


そりゃそうだとは思う


気持ちが離れてたくせにコタツを買わせた!

という事も怒りを増長したらしい


そりゃそうだ…おねだり



そして

「一度会って話そう」と言われ

僕もそれに同意した




けれど会う日を決める前に高校時代の友人たちから

「なんかもう無理して嫌われなくても大丈夫そうだよ。もう充分嫌われてるみたいだよグラサン」とメッセージが入ったガーンデスヨネタラー



……

本当に色々あったけれども

最後はこんな感じで僕とパートナーの9年半の付き合いはあっけなく終止符を打った


パートナーには本当に感謝しているし

正直子供のメンタルも気になるけれど


僕は先に進むことに決めた




その頃


『君の運命の人は僕じゃない』


という歌詞の曲が巷に流れていて

僕は無意識にその歌詞をパートナーに重ねたり君に重ねたりして聴くたびに心が揺らいだ



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