日月宙染め"nigiiro" / 八ヶ岳 標高1300m ⇄ 時々東京 -2ページ目

日月宙染め"nigiiro" / 八ヶ岳 標高1300m ⇄ 時々東京

日月宙染め作家 | satoe(hana
日月宙染め | ひつきそらぞめ
八ヶ岳の標高1300Mの特別な太陽と満ちる月と宇宙のエネルギーで染める糸と布

2026年4月8日。

諏訪湖の出口、天竜川の始まりを告げる「釜口水門(かまぐちすいもん)」を訪れました。

満開の桜が風に舞う中、そこには歴史と神話、そして私のこの数年間の歩みが静かに交差していました。
image
 

1. 浮世絵から消えた「弁天島」の記憶

釜口水門のほど近くに、ひっそりと佇む「浜中島弁財天」。

かつてここには、諏訪湖に浮かぶ「弁天島」という美しい人工島がありました。

葛飾北斎が『富嶽三十六景』の一枚「信州諏訪湖」で描いた、湖上に浮かぶ祠こそが、この弁才天様です。
奈良の天河大弁財天から勧請されたという由緒ある神様ですが、明治時代の治水工事によって島は削られ、今の場所へと移されました。

工事の混乱の中、ご神体が行方不明になったという切ない伝説も残っていますが、現在は新しくなった祠の中に、穏やかな表情の石像が祀られています。
image
 

2. ミシャグジ様との再会

道を挟んで隣り合うのは、「下浜御社宮司(みしゃぐじ)社」。

諏訪地方で古くから信仰されてきた、土着の神様「ミシャグジ」を祀る社です。

実は、このミシャグジ様という響きには、私にとって忘れられない記憶があります。

2024.03、ここ八ヶ岳の物件を内覧する前夜、諏訪湖のほとりに泊まった夜、ふとしたきっかけでこの「ミシャグジ」の話となりました。

その不思議な響きに引かれるように、翌朝、八ヶ岳の物件を内覧する前に「神長官守矢史料館」と「守屋山の物部守屋神社」へ。
そこで諏訪の信仰の深淵に触れたことが、今の私の暮らしへと繋がっている気がします。
image
 

3. 三位一体の光のライン
漫画家の美内すずえさんは、その著書『宇宙神霊記』の中で「天河、鞍馬、そして千ヶ滝(清里)が繋がっている」と書いています。
この3つを結ぶ三角形が目に見えない光のネットワークとして機能しているそう。
この神秘的な三角形のなかで、不思議な縁が重なり合います。
諏訪湖の出口に勧請された天河の弁財天、物部氏の伝説が残る諏訪大社のご神体・守屋山、そして私の暮らす八ヶ岳にある千ヶ滝。一見離れたこれらの地は、古代の歴史と信仰によって「奈良」を起点に力強く結ばれているのです。

 

4. 2年越しの答え合わせ

奈良天河神社は2024.03に訪れています。
諏訪の夜に聞いたミシャグジ様の名前。

八ヶ岳への移住を決めたあの日の朝の参拝。
偶然の重なりを「縁」と呼ぶのなら、この2年間の私の歩みは、目に見えないエネルギーに導かれた「ひとつの旅」だったのかもしれません。

奈良天河と京都の鞍馬を結ぶ南北ラインのほぼ中央には物部氏と関係の深い石上神宮があり、
飛鳥時代、蘇我氏との戦いに敗れた物部守屋の一族が、諏訪へと逃れたという伝説もあります。
もしかすると、私のこの地への旅は、ここ2年どころではなく、2019.11に初めて石上神宮を訪れた7年前から始まっていたのかもしれません。

 

この日は、下社御射山社へも行き、諏訪湖へ。
かつて湖に浮かんでいた弁天島を想像しながら、見えないエネルギーの繋がりに思いをはせた春の1日でした。
 

もし皆さんも諏訪湖を訪れることがあれば、ぜひ釜口水門の近くへ足を運んでみてください。

そこには、時を超えて語り継がれる歴史と、あなた自身の物語を繋ぐ「何か」が待っているかもしれません。

Follow me