作・絵……高畠那生 (2006年刊)
いちばん、自分らしい「見てくれ」を
「売って」しまう…
って、どんな感覚なんだろう…。
真剣に考えてみると
けっこう ひやりとしてくる
状況を。
淡々と とぼけた味わいの
ユーモラスさで 切り抜けていく…(?)
人間界の片隅で、
とあるスタンド・ショップを営む
チーターくんのおはなし…。
…何屋さん、と呼べばいいのか
よくわからない、
チーターくんのおみせ。
描かれている 品ぞろえを眺めると
雑誌に、絵葉書、…お洒落な電気スタンド?
文具に缶飲料…。
とにかく、はやってないらしく。
それは、
やっときてくれた「おきゃくさん」
の
無理難題な ちゅうもんにも
~せっかくだから
…、と 応じてしまうほどに…。
その注文というのが。
~「あなたの くろいもようを くださいな」
それって。売り上げのためなら
自分が自分でなくなっても構わない…?
っていう
究極の選択…!?
…というか、そもそも、どうやって
「もよう」を売るのですか……?
…という 大人的な常識で とまどっておりますと。
チーターくん、あっさりと ぺりぺりと
じぶんの 「もよう」を はがしていっちゃう…。
くろい てんてんもようを
たっぷり 手に入れた 「おきゃくさん」は
あかいふく だったから。
まるで てんとうむしのようになって
満足げに おみせを あとに…。
「くろいもよう」を はがしちゃったら、
日焼けたひふを ぺりっ、とした跡みたいに。
なんだか ぼんやりとした印象の
うす斑点 のボディになってしまった
チーターくん。
状況に流されてしまってるようでいて、
ここで。
何の気なしに 今までにない自分(!?)
を
ありあわせのもので ひまつぶし的作業で
演出してしまえたのが、
彼の すごかったところで…。
「見た目」が変わっただけで、
あっという間に おきゃくさんが集まってきたのって。
何だか ニンゲンたちの行動パターンを
皮肉られてる気も、してくるのですが…。
チーターくんの受難は
まだまだ、そこでおさまった訳ではなく…。
さらなる、「自分らしさ」を
奪い取ろうとするかのような、注文が…。
それすらも 受け入れて、
あらたな 「工夫」を
自分に ほどこしてみる、チーターくん。
~「あっ!」
…って、こころが ちょいとばかり
浮き立った、その先に…。
チーターくんの おみせが どうなるのか…
は、
見るひと それぞれに、
あれや これやと 想像して、
おたのしみを……、な…。


