今邑彩著、中公文庫

選考のおみやげでいただいてきました。

こんなときにも、本と出会う機会を作ってもらえて、ありがたいかぎりです。

立て続けにブログ書いてますが、それぞれ二日ほどかけて読んでます。

今、居候がいるために、ブログを書くタイミングをつかめなかっただけで。

この小説、時代設定は15年ほど前。
というか、最初に書かれたのがそのぐらいなんですね。

だから、文書作成はワープロだし、電話と言えば固定だし公衆電話だし、高校生の楽しみはラジオの深夜放送なんです。

そんなラジオのDJである女性のもとに、少女Ａを名のる人物からショッキングな手紙が届く。

「養父に身体を触られるのが、嫌で嫌でたまりません。このままでは自殺するか、養父を殺してしまうかも……」

こうして、物語が始まります。

実際の時間の流れにそっての描写の間に、少女Ａの独白が挟まります。

その二つの話が少しずつ矛盾してゆき、少女Ａの正体が明らかになる。

そして、最後に見えてくるものは、悲しくてやりきれない真実。

面白かったです。

読者が少女Ａの正体を知ってから、真実を明らかにしていくまでの流れが少しくどい感じがしましたが。

「そんなに詳しく引っ張らなくても、もうわかってるよー」て感じ。

まぁ、鈍い人はわからないのかもしれないから、仕方ないか。←何様

でも、ストーリーの構成も、登場人物のキャラも良かった！

あまりにも不思議な体験を「ダイイング・アイ」でした後だったから、スタンダードなミステリーが嬉しかったです。

楽しめました。

この方の作品、まだいくつか出ているので、読んでみようと思います。

少女Ａの殺人