巨人の星(再放送)[第179~180回]|青白き炎の挑戦状&覚悟の登板
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
久しぶりの更新である。
放送はとっくの昔に終わっているのだが…
第179回★青白き炎の挑戦状
老獅子が若獅子に倒されるという妄想を脳裏に、
雨の外を中日宿舎の窓から眺める一徹である
(フッフッフ、飛雄馬のやつめ、とうとうわしから独立しよったか…)
(何度マウンドに駆け寄って飛雄馬よくやったと抱きしめたかったことか)
「だが飛雄馬! わしがこのまま引き下がると思ったら大間違いだぞ!」
いきなり声に出して叫ぶ一徹であった
「大洋の左門も打てず、また阪神の花形敗れたあと、
大リーグボール3号を打つのは伴宙太の義務!」
はて、左門や花形との勝負は非公式だったはずだが…
一方、後楽園球場、巨人-広島戦
――アッ、またも大リーグボール3号!
とアナウンサーは叫ぶが、今はコレしか投げてないんじゃないの??
飛雄馬の姿を16ミリで撮る中日のスパイあり
さっそく戻って上映会
「何度見てもわからんなあ…」とは中日の面々である
しかし一徹はスローモーションでの繰り返し再生を技師に依頼
「もう一度初めからお願いする! もう一度!」
ビデオじゃないから何度も巻戻さねばならず、大変である
見たぞ飛雄馬!
鍵はこの指の形にありとな!
ピカー
翌朝、グラウンドに立った一徹は、
伴に向かって大リーグボール3号を投げて見せるという
「バットを持ってさっさと打席に立てい!」
振りかぶった一徹、下手投げでボールを放るが…
ホームまで届かない
指の形もばっちり再現できてる
この奇怪な腕の痛みはなんだ…!
しかも、ボールはやはり届かないのであった
「あの飛雄馬の表情は…イヤそんなバカな!」
あの表情は、ボールを親指と人差指で押し出すために全力を使うせいだと思っていたが…
投げるたびに腕に痛みをおぼえるなんて!
だが、もしそうだとしたら…
「星コーチ! 一体どうしたというんですか!」
伴にせっつかれて一徹は投げ続けるが、やはりボールは届かず
そしてついに届いた一球はたしかにあの飛雄馬の球だった
空振りした伴がマウンドを振り返ると、そこには痛みに呻きながらうずくまる一徹の姿
「筋肉がバラバラになったかのようなこの激痛…」
「星コーチ、どうしたんです」
「な、なんでもないわ!」
「顔色が真っ青で…」
一徹はタクシーに飛び乗り、名新総合病院を訪れた
一方、相変わらずGSで働く明子はナイター中継で飛雄馬の勇姿を見る
この表情は一体何かしら?
翌朝、明子は一徹に電話する
「お父さん、お久しぶりです」
「そうか、お前も元気そうだな」
久しぶりの娘の声に、さすがの一徹も相好を崩している
飛雄馬の決死の覚悟を指摘する明子
「その子を叩くのは親と言えるのでしょうか?」
もしもし? お父さん!?
名新総合病院の医師は、一徹の依頼で腕の負荷を調べていた
「あなたのその不思議な投球法で無理を重ねると、
この前腕部にある屈筋と伸筋を相当酷使することになります」
ここネ
「で、もしもそれを続けた場合は?」
「これらの筋肉がズタズタになり、
ついには屈筋と伸筋がビシッと切れて、指の動きが永遠にとまるおそれがあるでしょう」
ガガン
これほど恐るべき努力があったとは…
イヤ努力というものではない、一球ごとにおのれの生命をかけているのだ!
お前はおのれの野球生命を投げていたのか!
頭を抱える一徹の頭上に雨が降り注ぐ…
「星投手は文字通り巨人の星となり…」と一徹は新聞を読みあげ、
ある決意をかためる
巨人戦を翌日に控え、監督が檄を飛ばす
(星コーチはまだ対抗策を編み出しておらんようだが…)
伴は黙ったままの一徹の顔を眺めて、
(考えてみれば俺もそのほうが気が楽かもしれんが)と考える
しかし一徹はすっくと立ち上がり、
「監督、明日は総力をあげて巨人に一矢報いましょうぞ!」
策もないくせに、大リーグボール3号を叩くと宣言してしまう
その晩、亡妻の写真と明子に謝る一徹だった
「許せよ、わしは明日最後の闘いを飛雄馬に挑むぞ」
「はるえ、飛雄馬に巨人の星をつかませてやってくれ!」と矛盾した祈りを捧げる一徹だった
同じ月を、クラウンマンションの飛雄馬も見上げていた
(父ちゃんは明日おそらく死力を尽くして向かってくるだろう…)
破れるものなら破ってみよ!
火の玉ボール
第180回★覚悟の登板
巨人軍も明日の中日戦に備えて川上が檄を飛ばしていた
って、あれっ、クラウンマンションにいた飛雄馬は…?
明日の先発を自分に指名せよと迫る
「いやー、そうはいかん、全員が選抜候補だ。すべては明日の調子を見て決める」
監督、そこをなんとか…
「なぜそう先発にこだわるんだ?」
「僕はもう明日で…ゴニョゴニョ」
飛雄馬を見つめる川上、(この男はいま必死に何かにかけているな)
「よかろう――ゆけ、星」
朝の光で新聞を読む飛雄馬である
「とうとうここまで来てしまった…治療に専念しろという医者や花形を無視して」
(俺は今日の試合にすべてをかける…)
トロフィーのボールを手に取り、室内で投球フォーム
アッ、こんなところでピシッと切れたら…!
「ウッ!」←ほら~!
同じ新聞を見て自宅の庭で身もだえていた花形
「ぼっちゃま、関東テレビからお電話ですよ」
受話器の向こうは今日の実況アナをつとめる田中という男だった
――星と伴の対決の予想を聞きたいんですがねえ…
花形はムッとして、「出るか出ないかわからんのに予想だなんて…」
――ちょっと待ってください、伴はともかく星は確実なんですよ
「なっ、なんだって!」
――星みずから先発をかって出たと…もしもし? 花形さん?
ヤケクソになった花形は、父親の会社のテストコースで制止をふりきり爆走していた
ようやく止められた花形、「じっとしていられないんです…」
「どういうことなんだ、それは?」と花形父
「勘弁してください、今はそれしか言えません」
ああ星君…(この構図はヌーベルバーグだね)
そしてついに試合が始まる――
駆けつけた花形は、観客のわくわくしている様子にいちいちムッとしている
(なにが面白いんだ、コイツら…)
飛雄馬は絶好調、一徹は投手に望みをかけてハッパをかけるが、
やる気を出した投手はブン回してしまって逆効果である
――投手にも打てないとすると、これはひょっとすると…
まさか…
わしを相手に完全試合を狙っとるのか!
飛雄馬がんばって!
あわてた一徹は1番、2番に代打で投手を起用
しかしやはり期待に応えようと力が入りすぎる
3番高木はバント、一瞬お手玉をした長嶋の送球でアウトになる
「みんな、星のためにエラーをしないでやってくれ」
川上「今日の星はいける!」
「まあしかし星のことだ、そんなことは意識しないでくださいと言うだろうがね」
しかし飛雄馬はきっとなり、「そうは言いません!」
断じてエラーしないようにしてください!と皆に言い渡す
今ここにいない長嶋・王選手にもお伝えください、と言いおいてブルペンに消える
「恐れ多くもONにエラーするなだとよ…」
ウーム…
回が明け、一徹はピッチャー狙いのバントを指示
スタミナ切れを狙う作戦に、飛雄馬は「投げるだけで精一杯だというのに!」と苛々
「しかし今さら他のボールは投げられん、そんなことをしたらこの左腕が!」
他のボールを投げたらどうなるというのだろう?
姉ちゃん到着
ウーム、まったく見ておれん!
飛雄馬は監督に驚くべき進言をする
前代未聞!
ピッチャーフライすら自分では捕らない
次の一徹の策はファウル作戦だった
2球見送った後、ファウルを10本も20本も打つのである
やめろっ、星やめてくれえっ
星コーチわしの出番はいつくるんですかい!
「あらかじめ言っておく、お前の出番はないかもしれん」
いつまでもつことか…
「なんですと! 約束が違う!」といきりたった伴、一徹に食らいつく
「俺を次に打たせろ!」
「何を言う、お前の馬鹿力がなんの役に立つというのか!」
ウオーッ
ウッ…この馬鹿力めが!
あっ、あったぞ!!
パーフェクトを食い止める策が今ひとつあったぞお!!
さて、最後のクライマックスに向けて、あと2回(一日)分…
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161