巨人の星(再放送)[第161~162回]|飛雄馬の母&仕組まれた罠
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第161回★飛雄馬の母
伴の活躍を街頭テレビで眺める飛雄馬
今夜もほっつき歩くうちに、足はいつしか懐かしい長屋へ
しかし長屋があったところはまさに取り壊しの真っ最中だった
工事の人に聞くと、スーパーマーケットを建てるのだという
何もかもなくなってしまった…と立ちつくす飛雄馬
同じ頃、一徹も宿舎で管理会社から電話を受けていた
立ち退き料をどこへ送ればいいのかというのである
一徹の住民票は今どこにあるのだろうか
「立ち退き料はどこかの施設にでも寄付してくださらんか」
春江…お前と苦楽をともにした長屋が…
昭和19年、春江が明子を身ごもったのと、一徹が一軍入りしたのと、
一徹に赤紙が来たのは同じ日のことだった――という話はもうだいぶ前にやった通りである
腑抜けになった星夫婦
そして昭和20年3月10日、東京大空襲の夜
春江は夫のスパイクのために燃える我が家に飛び込む
終戦翌21年に元あったところに長屋を建てた春江の元に一徹が帰る
そして肩のリハビリに失敗した一徹、
魔送球を編み出すも川上に引導を渡され、酒に荒れる日々
酒もってこい!
一徹が働かないので米櫃は空になり、
春江は着物を背負い、明子の手を引いて満員電車に乗り、米を求めて農家へ
まーた随分持ってきただなあ
「こんな下着みてぇのだっちゃ、米どころか芋だってよぉ…」
「そうおっしゃらずに…」
明子「お父ちゃん、キライ!」
「お父さんはね、今いちばん辛いところなの…」
その一徹は酒を飲みながら飛雄馬と留守番していたが、
ボールの握り方を教えたと聞いて春江はきっとなる
野球を教えるのはやめてください!
ある日帰ってきた一徹、オルゴールメリーを買ってきて、
「今日から働きに出ることにしたよ、なあに***の仕事だがね」土方ならん
「あなた…」と春江は涙を流す
こうして一徹は土方になったが、
野球に未練を残していることを知っている春江は浮かない顔だった
そして嵐の夜――病に倒れた春江は、
布団の下に隠していた背番号16のユニフォームを一徹に渡す
「飛雄馬を立派な野球人に…お願いしますよ」
これがすべての誤りの始まりだった
そして春江の容態が急変、オルゴールメリーが悲しく回り…
ここはだいぶ前に回想シーンでやった通り
しかしその飛雄馬は、長屋の瓦礫で失意状態だった…
第162回★仕組まれた罠
近所の部屋の団欒の声を、ソファにもたれたまま聞いている飛雄馬
辛かった少年時代を思い出して、「もう野球はイヤだ…」
そこへ電話、「ア・タ・シ、誰だかわかる…」
「ああ、新宿の女番長お京さん、何か用?」
「星さん、好きよ…」と電話は切れてしまう
(どうせ酔っ払ってかけてきたんだろう、うるさく構われないうちに出かけてしまおう)
飛雄馬はいやに馴れている
しかし外を歩いていると、竜巻グループに囲まれる
「お京姉さんから電話があっただろう!」
「たしかに電話はあった…」
「姉さんは今頃あんたのために袋叩きにされてるかもしれないんだよ!」
驚いた飛雄馬が竜巻グループを詰問すると、
麻薬売買や人身売買も行う西岡プロダクションが、
慰謝料50万を飛雄馬から取り立ててこいとお京に伝えたのである
プロダクションがヤクザという設定は、この時代ならではですな
トップ屋という職業があったころの話である
期限は今夜10時――
しかしお京は飛雄馬のところには行かず、手持ちの金を西岡に渡す
「これじゃ話にならない、星を連れてこい」と西岡
そこへ電話をかけた飛雄馬、すぐそちらに行くと伝えるが、
「来ないで、来ちゃダメ!」
「このアマ!」(この時代、パンチラはまだ無い)
お京が飛び出しナイフをちらつかせているうちに飛雄馬たちが到着
バカな真似はよせ!
飛雄馬は西岡に向き直り、「とにかく50万用意すれば決着がつくんですね」と念を押す
「ええ、まあ一応はね」
「それでは明日朝必ずお届けします」
「さすがは星さん、話が早いですね。もうひとつお願いがあるんですが…」
「断る!」
「今度あなたが試合に出るときにちょっと手加減して投げてもらいたいんですが…」
「それじゃ八百長じゃないの!」とお京が叫ぶ
「世間様じゃそういう言い方をしているようですが…これだって立派な商売ですよ」
飛雄馬はハハハ…と笑い、「この俺をもう一度マウンドに立たせようというのか、このポンコツを!」
西岡は机の中から飛雄馬の調査資料を出す
巨人入団当時からの切り抜きを集めたものである
「大リーグボール2号が打たれて約1か月、
そろそろ大リーグボール3号が生まれてもいい頃だと言いたいんでしょう」
1か月wwwもうそんなにたったのかwww
「2、3日休養」発言をした川上の立場はどうなっているのかwww
残念ながらもう二度とマウンドに立つつもりはない!と踵を返した飛雄馬に、
「明子さんって言いましたっけねえ――」と西岡は言葉を浴びせる
飛雄馬はぎくりとして足を止める
「いやね、探してあげようかと思ってるんですよ」
「探してどうしようっていうんだ!」
「さあね…ねえ星さん、私はいざとなったら手段を選ばぬ男なんですよ」
怒りにふるえた飛雄馬は「俺の腹は決まった」とポケットからお京のナイフを出す
くるりとナイフを返して
(このへんの描写は、この頃流行っていた映画の演出だ)
「俺が野球をやめる証拠をたった今見せてやる!」
(父ちゃん、素晴らしいプレゼントをやるよ――鮮血にまみれた手!)
巨人の星をつかみそこねた星飛雄馬の左手だ!
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161