巨人の星(再放送)[第159~160回]|借りを返せ!&左門の恋
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第159回★借りを返せ!
朝の新宿裏通りで、ゴミ箱を漁っている野犬…時代を感じさせるね
出勤する堅気の人間とすれ違い、孤絶感に苛まれる飛雄馬である
もう一度夜が来るまで、俺はどこへ行こう?
取材陣は飛雄馬の足取りを探ろうと躍起である
動揺する巨人首脳陣に球団代表から電話
ダンコたる処置をとらねばならないとの主張に、処分は自分に任せてほしいと川上
「今日の午後までに現れれぬ場合は星個人の問題ではなくなるぞ!」
わかりました、と電話を切った川上は「星はまだ若い…」
「では、さしあさっての処置は…?」
「2、3日休養を与える」
って、それじゃあ「今日の午後」っていう今の約束は…??ww
ついで記者たちの前に姿を現し、「星の処分はもう決まったのですか?」と聞かれて、
「処分…? というと?」ととぼける
[星の帰るところは…(タバコに火をつけて)…自分のマンションしかない」
「クラウンマンションか!」と記者が出て行った後に、
ふうーと煙を吐きながら、(ほかにはないはずだ…)とつぶやく川上であった
勇んだ記者たちがクラウンマンションで見たものは…
伴の姿であった
一方、飛雄馬は知らずマンションの前に立っていた
結局帰るところはここだけか…と階段を上り、伴の姿に驚く
「久しぶりだな、まあ入れよ」
昨夜11時から待っていたと聞いて驚いた飛雄馬、
「もし俺がチームと行動をともにしていたら、帰ってくるのは明日のはずだが…」
「長い付き合いよ」飛雄馬の投げ出し癖をよく知る伴であった
飛雄馬はがっくりとソファに腰を下ろし、
「もう俺も終わりだ、再起しろと励ましに来たならムダだ」
バカッタレ
「勘違いするな、ここに来たのは俺個人の都合だ!」
お前がここまでやってこれたのはこの伴宙太の協力があってこそだな
それに対してお前が報いてくれたことはあったか?
それどころか、邪魔になると中日に追いやられた
今こそ、その借りを返してもらおう!
「返せと言われても…今の俺には返せるものなど何一つない」
「いや、ある! その返済方法については順序立てて話さにゃなるまいて…」
と伴はなぜかシャツを脱ぐ
なんだかやばい雰囲気であるwww
と思ったら、部屋の中で素振りを始める
踏みしめる足に絨毯はよじれ、スイングにカーテンがまくれあがる
そこへやってきたのは明子である
ノックもせずに覗く
伴はスイングを止めて、「どうじゃい、感想は?」
「すごいスイングだ、空気とバットの摩擦で焦げ臭いにおいが…」
そんな大げさなwww
「星コーチの名指導のおかげよ」
しかし一徹の名を聞いて飛雄馬がまたくそ!とヤケになったので、伴はあわて、
「違う違う、めめしくないということが言いたかったんじゃ」
「…わかったよ」と飛雄馬は落ち着き、「しかし、なぜめめしい、めめしいとこだわるんだ めめしいぞ」
「つまり、がめつくもめめしい問題とは…明子さんじゃい!」
まあ!(って、まだそこにいたのか)
「つまり貸しの返済法とは、わしから明子さんを引き離さないでほしいんじゃ!」
「そう言われても…」
「俺の青春の運命は、星よ、お前の手に握られちょる!」
「いや伴、姉弟とはいえ、もはや他人同様の生活をしていて…」
「違う! お前が再起するかどうかにかかっとるんじゃい!」
飛雄馬は笑って否定し、「いや、彼女、勇ましいよ」
「明子さんはそうにせよ、ここに花形満という問題がある!」
ハッ、と明子は二度ビックリ
「あいつは消える魔球打倒の一念で明子さんの恋を諦めた、ということは逆もあり得る!」
「逆…? アッ!」
「ライバル亡き今、花形は野球生活に何の未練も感じまい!」
伴はこんなときだけ先回り思考が著しいのである
「花形は花形モータースの跡継ぎとしての生活を始めるだろう!」
自分だって伴自動車工業を継げばいいはずだが…
「新しい人生をともにするのに、明子さんを選ぶは必定じゃい!」
もしもそんなハメになってみい!
伴は獣のように部屋をグルグル歩き回り、「そんなことになったらこの伴宙太、狂うてしまうわい!」
ハー(-_-;)
「想像するだけで頭の中がガンガンしてくるぅ!」
「伴の恋のために花形を野球に釘付けにする、そのために俺に再起しろというのか…!」
「その通り、それ以外の返済方法はない!」
「ま、待ってくれ、俺なりに返済方法は考えるが…」と飛雄馬も頭痛がしてきたようだ
「わかった、今日のところは帰るわい」と伴がシャツを着たので、明子は慌ててドアを閉めて走り去る
飛雄馬はソファにぶっ倒れ、
(みんなが弱りきった俺にてんでに無理難題をふっかけてくる…)
お京さんは一方的な愛を囁きかけてくるし
あろうことか左門はそのお京さんに恋をして俺の立場は変になるし
伴、花形に姉ちゃん、もう友情に応えるどころか生きてる実感さえない…青春の抜け殻…
マンションの外に立った伴、
「世にも回りくどい慰め方があったもんじゃい」と涙を流す
「とんだ田舎の猿芝居、とんだ友情の三文役者よのう…」
その後ろ姿を見送る明子
「ありがとう、伴さん…」
姉ちゃん巨大化してるwww
眠る飛雄馬の傍らで鳴り続ける電話…
第160回★左門の恋
その夜、中日-大洋戦である
飛雄馬は気をとり直したのか、飛雄馬もテレビで観戦
不調で打てない左門を見て、
(あの胸のうちに新宿の女番長お京さんへの恋心が芽生えていようとは、お釈迦さんでも知るまいて)
打てんかった原因はようわかっとるですたい
(じゃがこのことは誰にも言えんですたい、たとえ血肉を分けた弟妹たちにも…)
その弟妹たちは帰ってきた左門に気を遣って、試合のことは口にすまいとしている
左門は顔を洗おうと洗面器の水面にまでお京の幻影を見る始末
ほとんど四谷怪談であるww
全員が寝静まった1時過ぎ、眠れぬ左門の耳元でゴオゴオの曲が流れ始める…
翌日は土曜日、工場で半ドンのサイレンが鳴り響く
左門家の昼食はチヨの手作りハンバーグ
しかし左門は半分以上残して「ごちそうさん」
「一生懸命つくったとよ」というチヨの言葉に慌てた左門、
「ハンバーグは好物で食べ過ぎるけん、満腹は試合によくなかとじゃから、後は帰ってからのお楽しみに…」
とかなり苦しい言い訳をする
元気のない兄の様子に、恋の病ではないかとマサヒロは勘のいいところを披露
チヨはお京さんという左門の寝言を聞いていた
タクシーで球場に向かう左門、お京さんの面影を求めてしまう
イカン…
その夜も左門は打てず――
それでも試合中も気がそぞろ
こういう時に限って打球が飛んでくるのである
エラーを連発して左門は「熊本に帰れ!」と野次を飛ばされる
監督は「お前、まさか目が悪いんじゃないだろうな」と検討違いの気を回す
「そうだ! いっそお京さんに会ってこの苦しか胸のうちを…」
思い余った左門は、球場から新宿に直行してしまう
BONでお京を待つが、なかなか来ない
竜巻グループ(というらしい)の子分が「いつかのオイモちゃんじゃないの」と声をかけてくる
「あんたなんかお京さんが相手にするわけないよ」と言われてカッとなった左門、
「お京さんとデートしてなぜいかんとですか!」
「あんた本気なの? 悪いこと言わないわ、今のうち諦めるのね」
一方、兄が帰ってこないので、チヨは兄の布団で見つけたBONのマッチを頼りに新宿へ
「左門さん? だいぶ前に帰ったよ、へべれけに酔って…」とボーイ
左門、ついに未成年飲酒にはまったかwww
すでに時刻は3時半を回っている
チヨは酔っ払いに絡まれ、逃げたところを車に轢かれそうになる
とっさに助ける黒い影
サスケかwww
いや、お京さんであった
そこに公園でふて寝していた兄が現れる
「この人が助けてくれたの」
「助けただなんて…ただ遊びほうけている悪いあんちゃんの代わりをしただけよ」
悪いあんちゃん…と左門は反省
それにしても不思議な偶然ね、とお京に声をかけられ、
ポワン(*・_・*)
「私は私の生きる場所がある、あんたにもあんたの生きる場所があるわ」
お京は橘ルミと同じようなことをおっしゃる
「ゴオゴオ喫茶で朝まで粘るなんて、あんたの柄じゃないもの」
ヘーイタクシー!とお京は去っていく
「柄じゃなか…柄じゃなか…!と呪文のようにつぶやく兄を見上げたチヨは、
「もしかしてあんちゃんの好きな人って…」
「あん人はあんちゃんの恩人たい!」
「あんちゃん、これでほんのごとよかと?」
空元気を出す兄だった
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161