巨人の星(再放送)[第157~158回]|傷だらけの負け犬&女番長、お京
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第157回★傷だらけの負け犬
俺は引き伸ばされたゴム…
わかりにくい比喩をつぶやきながら呆然とグラウンドを出た飛雄馬
(これでもう何もかも本当に終わったらしい…)
呆然としたまましっかりシャワーも浴び、ロッカーで着替えて帰る
大リーグボール1号を打たれたときに比べればかなり冷静と言える
タクシーに乗り、東京への切符を買って新幹線に乗る
ああ疲れた、ただ虚ろ、ただ虚しい…
一方、試合後もブンブン打法の練習に余念のない左門は、
駆けつけた記者から、消える魔球敗れたりのニュースを聞いてしまう
「万が一にも花形君に失敗があればと思っちょったが、わしも甘か…」
さらに、記者は左門の打倒策と花形の策の紙上比較をやりたいと言い出す
「それはいかんです、すでに倒れた相手に鞭ばくれるような真似は!」
そげんことはできんたい!
左門も挫折者なのであった
こうして左門との消える魔球対決は永遠に延期されることになったのだった
一方、飛雄馬はクラウンマンションの前で逡巡し、
(だめだ、寝られそうにない…寝られなかったら、それが怖い…)
ゲーセン
パチンコ
「ワンセット1000円ポッキリ」
新宿ミラノ座ですね
同じ頃、悔しさで眠れない左門もまた夜の新宿をさまよっていた
「わしは不遇な男たい…」とひとりごちながら歩く左門だったが、
女不良グループに目をつけられ、財布をすられそうになる
なんばすっとたい!
手をひねりあげられて悲鳴を上げた女の仲間に取り囲まれる
「何すんのさ!」
「この人がわしの財布を…」
「おかしいわね、あたいたち後ろから見てたけど、そんなことしてなかったわよ」
証拠を見せろと詰め寄られて往生する左門
あんたの会社に行ったっていいんだよと言われて、
そげんばかな…!
女たちは左門を公園に連れ込み、リーダーのお京を呼びに行く
あれは…どこかで見たような…?
この公園には、偶然、飛雄馬がベンチにへたりこんでおり、「左門…?」と振り向く
「これはまたひどいゆすりもあったもんだな!」
その声は!(正義の味方登場!)
「星君じゃなかか!」
「どんないきさつか知らないが、そんな卑怯なゆすりはやめたまえ」
「こんなところに出て行きて帰れると思ってるの、甘いわよ坊や」
「あいにく生きていたくもない心境でな」
「面白い…若いの呼んできな!」
「左門さん、こんな下劣な連中の言うことを聞くことはない」と飛雄馬は左門を帰らせようとする
「下劣だと!どうせお前も八百長やってるんだろうさ!」と吠えるお京
八百長と言ったな!
怒った飛雄馬はお京を張り倒す
左門「こげんなとこで命ば捨てるつもりか、星君!」
第158回★女番長、お京
集まったチンピラに囲まれた飛雄馬は急に笑い出し、
「今までの苦労のなれの果てがこれか、なんともはやバカバカしくって…」
真面目な左門があくまで卑屈に、
「ここは土下座し、互いの膝を八重に折り、額をこすりつけても謝る一手ですたい」
と膝を屈しようとするのを、襟首つかんで引き起こす
「星君、一見ヤケに見えるが、君は男たい!」
そしてドラムビートの効いた乱闘シーンが始まる
お京さんは「お待ち!」とチンピラを止め、飛雄馬と左門に手打ちを申し出る
「この場はそうしたほうがよかでっしょ」ホッとした顔の左門
「あんたが来ないと星さんも来ないから、さあ」とお京に促されて、
「わしは付録ですか、まあ1時間ほどなら付き合いまっしょ」
3人が入ったのはゴオゴオクラブ「BON」
バーテンとお京が親しげに言葉を交わす様子に(奇妙な女だ…)と思う飛雄馬
「水割り3つ」とお京が注文するので、左門は慌てて「わしはコーラ」と言い直すが、
飛雄馬は「俺はアルコールでいい」
そういえば、飛雄馬も左門も未成年なのだ(お京も未成年らしい)
巨人の星になるまで酒を断つ、と酒瓶を割ったのを一瞬思い出したものの、
飛雄馬は一気にグラスを呷り、
ああ、うまい…これがやけっぱちの味か…!
と酒好きの血が流れているのである
飛雄馬は未成年飲酒にびびる左門に、ゴオゴオを踊るならコーラに替えると不良っぽく言う
「ならば踊ろう!」とダンスフロアに飛び出た左門
昔の飛雄馬よりスジがいいww
飛雄馬は橘ルミの一件を思い出し、次いで美奈さんとの恋を思い出す
「奇妙な日だ、昼は大阪で花形に消える魔球を打たれ、夜は新宿で女番長と酒を飲んでいる…」
と思わずつぶやくと、お京は「女番長と言わないで、京子って呼んで」としおらしく、
「男らしい男を見たとき、どんな女でも女らしくなるらしいわね…私、星さんが…好き」
て、展開が早過ぎ…ww
「ハッハッハッハ、俺だって別に嫌いじゃないさ」プレイボーイらしくはぐらかす飛雄馬だったが、
「私のはそんなんじゃないわ、つまり…恋だわ!」
(どう応対すればいいんだ…)それどころじゃない飛雄馬は茫然とする
「その眼…私みたいに心の汚れた女には眩しくって…あたしは、あたしは…」
盛り上がったところにトイレから戻った左門が、
「お京さん、ゴオゴオのほうはどげんしたとですか!」と割り込んでくる
「そ、そうだったわね…」
「わしはもっと踊りたかとです、ゴオゴオは面白か~!」
お京は左門と再びフロアにいってしまう
左門はこれで鬱憤が晴れるのを感じ、さらに、向かい合って踊るお京に気持ちが傾いてきた
「それにしても左門はいったいどうしたというんだ」
カウンターの飛雄馬は冷静に観察している
およそ日頃の左門豊作らしくない…
夜も3時を回り、店を出た三人はペーヴメントをそぞろ歩いて夜の熱を冷ます
「お京さん、それじゃこのへんで…」と口を切る飛雄馬に、お京は、
「突然炎のごとく…こんな題の映画があったけど、今の私の心境そっくり」
そして「燃え上がった炎は決して消えないの!」と叫んで走り去る
飛雄馬が困っていると、左門も「困ったとです!」と叫ぶ
「お京さんは星君ば好きになったことあるが、ばってんわしは一目惚ればしてしもうたですばい!」
「なんだって…」
「星君、わしを笑うてつかあさい、こげなわしを!」
左門、「わしは…わしは…!」と叫びながら、やっぱり走り去る
「あの真面目人間の左門が…あの大地に根の生えたような左門が、京子さんに…」
感慨深く見送る飛雄馬であった
(恋とは不思議だ、だが左門が羨ましい…俺はからっぽだ…)などと思っていると、
またチンピラに囲まれる
もはや闘志はなく、あえてコテンパンにのされていく飛雄馬だった
殴れ、いや殴ってくれ…
イヤー、面白すぎる展開にツッコミの言葉も少なめであるww
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161