巨人の星(再放送)[第89~90回]|栄光のピッチング(沢村栄治物語)&折り合わぬ契約
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第89回★栄光のピッチング(沢村栄治物語)
病院におとなしく戻った飛雄馬、ピッチングの真似をしているところを看護婦に見つかる
花形や左門のことを思い、早く練習に戻りたくて焦る飛雄馬だが、
ボールで院長室の窓ガラスを割ってしまう
そして院長の長い説教が始まるのであった
この院長は沢村栄治の旧友で、昭和18年のシーズン半ばに撮った写真が机に飾ってある
翌昭和19年秋、沢村は3度目の赤紙で出征し、院長は駅まで見送りにいった
行き先は米軍上陸が近いと言われるフィリピン、しかし台湾沖で魚雷を受けて藻屑と消えた
沢村は30歳だった
沢村は昭和9年秋、17歳で日米野球(スコアボードには全米軍対全日本軍とある)に参加、
鉄人ルー・ゲーリックに1点をとられたものの、ベーブ・ルースとも対決し、三振をとる大快投
昭和11年12月、東京州崎球場でタイガースとの首位決定戦で3連投をこなす
リーグ戦で24勝4敗、最高殊勲選手第1号、ノーヒットノーラン第1号、1試合三振奪取15など記録王である
(州崎球場というのは大東京軍の本拠地で、東京瓦斯の所有地だったらしい
海が近くカニが這いずり回っていたといわれ、満潮時にはグラウンドが海水につかってコールドゲームになったとか
1936年開場、1945年には既に材木置場となっていた
所在地はこのへん)
日華事変が起こった翌昭和13年、最初の赤紙が来て沢村は中国大陸へ
記録フィルムを見せるために黙り込む二人
手榴弾投げは連隊一で、80メートル飛んだという
「妙に肥った」沢村が帰って来ると、巨人では川上・千葉・吉原が活躍していた
星野「もう食べないんですか、まだ一膳しか食べていないのに…
沢村「もうおなかいっぱいなんだ…」
「さすがは沢村、彼は食事を制限していたんだ」と院長
おかわりを我慢しただけじゃないかwww
ダイエットを頑張ってカムバックした沢村だったが、また赤紙が来る
「ええっ!」と驚く飛雄馬だが、さっき三度目と言ってたじゃん
「昭和16年10月、太平洋戦争の始まる二ヶ月前だった…」
た、太平洋戦争…!
なんでそこで驚くwww
沢村が派遣されたのはミンダナオ島、わしも今度ばかりはダメかと思ったね
出征先をなんで知っているのか
しかし昭和18年1月、沢村は再び帰国
時節柄のユニフォーム
そのころの巨人は水原・三原・川上・吉原・千葉がすでに出征
残っているのは須田博と名前を変えたスタルヒン(この人はロシア革命の亡命者)・中尾・白石
「世間では、目下5連覇の巨人が今年は優勝できないと噂している、俺は投げたい」
沢村はそう言ったというが、戦時下だというのに暢気な発言なんじゃないだろうか
主将になって試合に出た昭和18年、沢村の調子はいまひとつでスピードは往年の半分、
阪神に打たれまくり、その後も打たれまくったという
しかしマラリアが再発し、灯火管制のもと苦しむ沢村
戦況はますます悪くなり、沢村は工場で働くようになる
「飛行機を作るのが面白くって、野球よりよほど爽快です」と語る沢村に、
「ウソをついてはいかん」と迫る院長
しかしその翌日、沢村に三度目の赤紙が来たのだった…
院長と飛雄馬は海を見に外へ
断崖絶壁だが、ここはどこの病院なんだww
「今、沢村は何をしていると思う?」
沢村英治は投げています、深い深いこの海の底で…
こわいわ!www
「おれがバカだった」と反省してみせる飛雄馬
「戦争にとられることもないのに、先生の言うことを聞かなかった…
俺、1年ぐらい棒にふったっていい!」
心にもないことを言う飛雄馬
野球の授業かいww
第90回★折り合わぬ契約
沢村栄治物語などなかったかのように、ふたたび飛雄馬はオズマの仕組んだ檻に戻る
「貴様は俺と同じ野球ロボットだ!」
飛雄馬に姿見を覗けと迫るオズマ、
「どうだ、何が見える?」
中に見えるのは…
「どうだ、そっくりじゃないか、どこが違うか?」
「違う、俺じゃない…!」
飛雄馬はバットで鏡を割るが、後から後からオズマの姿が…
…ああ、いやな夢を見た、と目をさます飛雄馬であった
伴がやってきて、今日は退院日であるという
荷物はこの布団だけなんだと飛雄馬が答えると、
伴はそれを剥ぎ、飛雄馬は「寒いよう…」と甘える
「こいつぅ、ここにいる間にだいぶ意気地なしになったなぁ」
変な二人である
新聞を手にした飛雄馬、契約更改の記事を見る
長嶋は4000万、王は3600万
「正月はスカッとした気分で迎えたいな」と飛雄馬
金の交渉が苦手だという伴、「面倒だからわしはポーンとやろうと思っとる」
ポーン
「お前も巨人の星と言われた男だ、金のことはポーンといかんかい!」
「ようし気に入った、ポーンだ!」
嬉しいこと言ってくれるわい!とほっとした伴であった
こいつ、巨人フロントの回し者じゃないのかwww
♪金がなんだ、金なんかこれは元歌はない。伴のデタラメ歌である
月の上からばらまいて 拾ったやつにくれてやる
金は天下のまわりもの、めぐりめぐってこの俺に
戻ってきたら そのときは
一方、花形や左門はまだ粘っているのだった
変な姿勢で交渉中
「球団はぼくに金を出すべきです!」と倍額要求
球団事務所を訪れる飛雄馬と伴
5割アップはかたいところだね、と記者に言われ、
「どうでしょうか、そんなに上がればいいんですが」と頭をかく
「泣かせるね、この奥ゆかしいこと!」
「巨人で野球ができればあとは何も要らんか、アッハッハ」
「ハッ、“野球ができればあとは何もいらん”…」
身をかたくした飛雄馬だが、伴に呼ばれて一緒に事務室へ
代表が提示した年俸は、伴2割増、飛雄馬6割増である
伴は公式戦に出ていないが、大リーグボール誕生の黒子を評価された
飛雄馬は10勝2敗、大リーグボールを編み出した功績
はい、それで結構ですという飛雄馬の返事に安心した代表、世間話のつもりで、
オズマが日本のプロ野球に入りたい、それも巨人以外のセリーグにと話してしまう
サインの手が止まる
てゆか、あーもうダメだねこの契約書は
ガバッ
「代表、気が変わりました…」と10割アップに要求を変更する
代表「げえっ」
「おい星、お前病院でなんといった、***の話はどうなったんじゃい」
メクラ判、ならん
「ぼくは人間として10割アップを要求します!」と言いながら出ていってしまう
異変を嗅ぎつけた記者たちは2倍要求を聞いて目を丸くする
各紙一斉に飛雄馬の記事
そして半月がたち、歳末の街でバスを待っていた伴と星
「おい伴、クリスマスって24日と25日どっちだっけ?」と飛雄馬
「なにぃ?」
「クリスマスだよ、ほら、ケーキ飾ってどんちゃん騒ぎやるやつさ!」
「イブのことか、それはお前…」と伴は不安にかられる
「24日の夜に決まっているだろう」
「あと1週間あるな!」と立ち上がった飛雄馬、
うれしそうに、くるりと一回転
「またな!」とネオンの街へ消えてしまう
「まさか、あいつ…」
それから飛雄馬はジングルベルを鼻歌に宿舎の空き部屋(?)を大掃除、
壁塗りまでやって本格的
オモチャ屋でサンタの人形を買ったり、ケーキ屋で特大ケーキを注文
机に向かってクリスマスカードの作成に余念がない
なぜか実写
「飛雄馬のやつめ、つけあがるのもいい加減にせんか…」
新聞を見てイライラしている一徹の声を聞きながら、
「あの子には何か考えがあるのだわ…」と考える明子
その傍らには手作りのクリスマスカードが…
「こんなことをするなんてよくよくのことだと思うわ…」
そしてイブ当日、特大ケーキをケーキ屋に取りに来た飛雄馬
伴も同伴で、プレゼントの買い物が山積みである
「お前、今日、クリスマスパーティをやるそうじゃのう」
伴は不機嫌そうに、「花形や左門も来ると聞いたぞ」
「ああ、それがどうした?」
「給料倍増の要求をしてからのお前は何か、道を踏み外している!
お前、以前の星に戻ってくれんか、あの姿なくしてお前の進む道がどこにあるんじゃ」
「よせ、伴…」
「野球ロボットとして生きると誓った星飛雄馬はどこへ行ったか!」
そんなことは誓ってないぞwww
「黙れ、伴!」
「くそう、何がクリスマスじゃーい!」
荷物を置いて行ってしまった
そのころ花形邸では――
「星がクリスマスの招待状? こいつはケッサクだ!」と笑っているのは阪神の同僚か?
「あいつ、給料倍増を要求してから頭がおかしくなったんじゃないの?」
それは花形も同じであるww
「それで花形君、君は行くのかい?」
「ふん、クリスマスケーキを食べにどうして巨人宿舎に行かなくちゃならないんだい」
それはもっともである
「野球一筋に生きる星飛雄馬、それ以外の星君にはまったく興味がないね。ヘドが出る!」
野球を離れると、貧乏人などにも偏見がありそうな男である
左門のアパート――
「なあ、あんちゃん、星飛雄馬のクリスマスに行かんでよかと?」
「お前たちのほうが先約だったじゃけんのう」
星君、わしは君に借りがありますたい、
その借りを返すためにわしの心ば鬼になっていることを君は知らんとですか!
そして飛雄馬のパーティ会場
時計のチクタクが響く中、誰も来ない…
帽子までかぶらなくても…
10時を過ぎた頃、先輩が昼間来たというハガキを持ってきてくれる
花形と左門からであった
「来年はこの左門、命ばかけて大リーグボールを打ち込んでみせますたい」by左門
年賀状かwww
「メリークリスマス、こんな言葉は無用だ
君とぼくとにかわされる言葉はこれのみ――勝負!」by花形
これも中学生の年賀状みたいww
しかしまだ姉ちゃんがいる…と飛雄馬は望みをかけるが、
用務員のおじさんが電報を持って来てくれた
ザ ン ネ ン ユ ケ ヌ ア キ コ
「父ちゃんの手前、来れないんだ…」と飛雄馬はがっくり
結局誰も来なかったというわけだ
オズマの幻影が現れる
――クリスマスは人間がやるものだ、貴様がこれだけの支度をしても誰も来ない
それはみんなが貴様が野球ロボットであると知っているからだ…
ロボットは、クリスマスはやらん!
なんならどうだ、ロボットはロボット同士、俺とやらんか…メリークリスマス!
「誰が貴様なんかと…!」飛雄馬は会場をメチャクチャにしてしまう
「くそう、ちくしょう!」
「貴様なんか、日本に来たら…たたき出してやるぞ!」
俺は人間なんだ、人間なんだぞ…
雪の降る外で立ちすくむ伴であった
「何やら星の心に新しい嵐が吹き始めている…
お前が一人で苦しんでいたんじゃわからん、俺に言えっ…!」
ああ、せつなく胸にせまる回であった。。。。(;_;)
シーズンオフの間にすっかり青春にのめりこんでいく飛雄馬、悩みは深い。。
しかし一徹だけがパーティに来たりするのでなくてよかったww
花形や左門が来ても、あいつら性格悪いから飛雄馬は絶対傷つくものね
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161