巨人の星(再放送)[第45~46回]|失われた目標&川上監督へのおくりもの
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第45話★失われた目標
飛雄馬が名乗りでたと聞いて怒りにふるえる大造
関係者を自邸に呼びつけ、もっと厳しい処罰を加えるべきだと主張
しかし名門星雲の名を守るためにと説得される
「ワッハッハ、わしの殴られ損というわけじゃな」
慌ただしい雰囲気を察知して牧場は野球部部室前に
天野先生からの発表、「今朝、星は退学した」
昨夜、飛雄馬が家に訪ねてきた理由を悟る牧場君であった
ついに黙っていられなくなり、伴に真相を語る
お前にそんな腕力があるもんかと伴が一笑に付すと、
これはブラックジャックといってね
アメリカの不良の喧嘩道具で、革の袋に鉛を詰めたものだ
ブラックジャックって、一般には棍棒状のものだと思うが…
ともあれ、さあ今度は君が怒る番だと言われて
伴は牧場を投げる
星と仲直りしてくれと牧場は頼むが、
伴は鉄棒にぶら下がり、「あいつが一旦こうと決めたら方針を変えるもんか!」
星のバカッ、すばらしいバカッ!
「あいつは他人の悲しみをそっくり自分の悲しみに変えてしまうんだな
甲子園の栄光も俺との友情も、そして学歴まで!
今のお前には何もないんだぞ!
こっちから絶交したんだ、今さらあれは誤解でございましたなんて言えるもんか
俺は本当の大馬鹿野郎だ!」
この台詞は、飛雄馬および主な登場人物の行動倫理を表す重要なものである
「他人の悲しみをそっくり自分の悲しみに変えてしまう」という過剰な優しさが、
いったい、なぜ飛雄馬というキャラクターに付されたのだろうか
伴、逆立ちして夕日に向かって行ってしまう
伴は頼りにならないと銀座らしき場所まで一徹に会いにいった牧場君
「飛雄馬が退学?」一徹は驚かない
「怒るなら、この卑怯な僕を怒ってください」跪く牧場君
「いかんいかん、立ちたまえ」一徹は大人である。「君は飛雄馬のやったことを無にするつもりかね」
「君は立派な漫画家とならなければならん」
帰宅した一徹はちゃぶ台にかかった布をめくって、「ほう、刺身か」
それから「どうした飛雄馬」と塞ぎこんだ息子に声をかける
「今は言えない、勝手に退学届をだしてしまったことを…」とこれは飛雄馬の内心
俺を星雲に入れるために****病気になるまで働いた父ちゃんに…
(土方をして、とかいうところが消されているのか)
口を開かない飛雄馬に、まあ芝居をしたければするがいいと独りごちる一徹であった
翌朝、いつものように制服を着てお弁当を渡され、カバンを提げて出かける飛雄馬
学校は退学なのだから、女房にリストラを言えないサラリーマンと同じである
運が悪いことに、ちょうど明子が飛雄馬の月謝をおさめに星雲高校へ
伴や天野先生とばったり会うが、二人ともまずいものを見たように逃げてしまう
出納係で星君は退学しましたよと言われて明子はびっくり
その頃、飛雄馬はパチンコ屋…
椅子がない、手打ちのパチンコ台
さすがに球を1個ずつ入れる式ではないように見えるが…
お巡りさんに注意されて外をさまよう飛雄馬
俺はいったいどこへ行ったらいいんだ
今の俺には何もない、巨人の星も、学生生活も、友情も…
小川のほとりに佇めば、川面に去来する友人やライバルたちの顔
俺は莫迦な真似をしてしまったのかもしれない
初めて気がついた飛雄馬であった
ああ惨めな時間つぶし、帰ろう、そして父ちゃんに話そうと家に足を向ける
すると家の前に見慣れぬ車
中を覗いてみると、なんと球団のスカウトらしい
「条件も悪くないですぞ、どうです!」
「お断りしたはずです、問題は金ではないのです」と一徹が答えている
車が行ってしまうと、飛雄馬、うれしそうに「父ちゃん父ちゃん」
今のスカウト、どこの球団? セリーグ? それともパ?
入団したい球団ではないのだからどこであっても関係ない、と冷たく答える一徹
「おおかた、お前が退学したことを新聞で見て来たのだろう」
飛雄馬「アッ、新聞に出ている!」
そんな飛雄馬を一徹が一喝
「お前は自分を認めてくれる球団がいると喜んでいる!
そんなことなら最初から人の身代わりで退学したりするのではない!」
そして、「最初から目指す球団はただひとつ。石にかじりついても巨人あるのみ!」
「わかったよ、父ちゃん…」
そして久しぶりに父子でキャッチボールに出ようとしたところに、
飛雄馬退学にショックを受けた明子が帰宅
「お父さん、飛雄馬が…」
「わかっておる、何も言うな」
おしっこしてるみたいにしゃがんで悩む明子であった
第46話★川上監督へのおくりもの
横浜外人墓地近くの花形邸
つめかける報道陣に、飛雄馬のことをアピールしようとする花形
「君と同じようなことを巨人の藤田コーチが言っていたよ
君の言っている金の卵って星投手のことだろう、ありゃあプロじゃ通用しないねえ」
「あの時、彼は…!」と思わず血染めのボールのことを話しそうになるが、
約束したから怪我をしていたことを言えない
「あの時、彼は…何なんです?」
「…ちょ、調子が悪かったんじゃないかなあ」
どっと受ける取材陣
そこで花形、星が星雲高校を退学したことを知る
「なんだ知らなかったの、おとといの夕刊に載ったんだがなあ」
早速、黄色のスポーツカーを駆って明子の働くGSへ直行ww
うかつだった、三日も知らなかったなんて
「星君は?」「それが…」
飛雄馬はデパート配送場でバイト中
「なんだ、その格好は!」
スポーツカーで住宅地を探す花形に見つかってしまった
「見ればわかるでしょう」
「野球はどうしたんだ、巨人の星は!」
「練習してますよ、これだって脚の訓練になるしね」
川の土手で並んで話す
自転車は停めっぱなし、この分ではクビである
かつての出会いを懐かしげに話す花形に、飛雄馬は一体何が言いたいんですと迷惑顔
「あのときも君の焼けつくような情熱はどこへ行ったんだ!
このままではチャンスはいつまでも来やしないよ」
恐れていることをズバリと言われてたじろく飛雄馬
「世間に公表するのさ、例の血染めのボールの一件をな!」
「甲子園での約束を忘れたんですか!」
「そのことで君は何を得たというんだ!」
「やめてください、そんなこと聞きたくありません!」
「自分を売り込むことがそんなにいけないのか!
今度はまたもや誰かをかばって身代わりに退学したらしいが」
って、なんでそこまで知ってるのかwww
「そんな弱い心で、巨人軍に入れると思っているのか!」
「くどい! 僕は仕事の途中なんです。失礼します!」
肩を落として帰ろうとする花形を女子高生たちが追う
夜、自宅で赤バットを振る花形
手をとめてマントルピースの上に飾った木箱を開ける
中には血染めのボールが
さて多摩川グラウンドで投手陣をチェックする藤田コーチ、スカウトに向かって、
右は城之内、堀内、中村、高橋(明)と豊富だが
左は金だと高橋(一三)だけだ
左が欲しいなと独りごちる
「心当たりはないかね、私は一人いるんだが」と飛雄馬の名をあげる
ねぼけてるのと違いますか、とスカウトマン
巨人軍オフィスで「補強新人リスト」を開いた川上、ウーン…と渋い顔
そこへ花形満から小包が届く
住所は神奈川県横浜市磯子区富士見台4-25-30、
残念ながら磯子に富士見台という住所は現存しない
しかし外人墓地のそばだから中区なのではないかという気がする…
小包の中身は例の木箱、中には血染めのボール
花形の手紙
すべてを暴露したものであった
そうだったのか、私の思った通りだ、と納得する藤田コーチ
星は金田の跡継ぎになる!とスカウトも盛り上がる
しかし川上は手紙をはらりと落とすと、
かぐわしいスポーツマンシップが匂うばかりだなと皮肉っぽい
しかしだ、巨人軍としては星が退学しようとどうしようと、スカウトする必要はない!
川上の理屈は、どんな理由があろうと負けたんだし、
そもそも負傷してしまう心構えがけしからんとのこと
金田の跡継ぎだと!そんなことを言うと金田が怒るわい!
藤田、おっしゃる通りですとあっさり折れる
スカウトマンはまだ諦めきれず、
「星をとれば花形も来てくれるんじゃないでしょうか」
「ライバルというものはそういうものじゃない」と川上
「星をとれば、花形だけでなく左門も…」
ところが、すべての会話は東都スポーツの記者が立ち聞きしていた
「ちょっとした特ダネをいただき、おありがとうござい…」
川上は追おうとしたスカウトマンを押しとどめ、
「いつまでも巨人入りの夢をみるよりも、はっきり聞かされたほうがいい」
そして血染めのボールを見下ろし、明日の紙面を想像する川上
星飛雄馬にとって死刑の宣告となる新聞記事が出るだろう
川上、「そうだ、私にも明日新聞に出したいことがあるんだ」と藤田に耳打ち
藤田、驚いて、「新人公募のテストを今やるんですか?」
耳打ちした意味がないwww
わからんかね?(ニカッ)
「彼はきっと出てくる…」
「わかりました、星に賭けるんですね」
「星に根性があれば、こんな小さなチャンスでもきっと食いついてくるはずだ」
結局、契約金が惜しいだけじゃないの、という気がしてくるww
花形、記者からいきさつを聞き、「ええっ、星は必要ないですって?」
「君の好意は裏目に出たということだね」
花形、また飛雄馬の配達コースに張りこんで、
自転車を漕ぐ飛雄馬を物陰から見つめて、
星君、すまん
「…まだチャンスはあるはずだ…それをつかみとってくれ、頼む…」
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161