マリカの永い夜 バリ夢日記 | 渡邊津弓のイトオシイ毎日☆

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自分を大切にすることを一生懸命やっているところです。



土曜日のこと
ヨガのあと、新宿へ出る途中
通りすがりの古本屋で
バッタリ出会った本

20代前半のころ
吉本ばななさんの
なんかセンスいい感じの
雰囲気のある物語や文体に
惹かれて
数冊ハードカバーを持ってる

けど、これは
ちょっと醒めたころ
出た本で
迷って買わなかった。

思わず手に取る。

108円。
店先のワゴンに
ポンポンと積まれていた。
外のビニールは
埃で薄汚れている。

買おう。
迷いなく
欲しいと思った。

レジでビニールを剥がしてと言おう。

あまり、こう言った注文を
実は言えない私。
意を決してレジへ
おつりのないように108円
きっちり小銭入れから出して
準備万端だ。

レジのお兄さんが
108円です
と言い終わってすぐ
あ!70円です。
と言い直した。

え? と私。

今日、特売なので。とお兄さん。

あ、あ、あ、と慌てふためく。(笑)
突然のできごとに、
108円を70円に変える
機転が効かない。

ありがとうございますと喜びつつ
あの、ビニールとってください、すみません。
と、おばさんの心を取り出して言う。

お兄さん、嫌がらずに
はい。と。
すみませんすみませんと繰り返す私。
いえいえとお兄さん。

こんな、心温まる(笑)やりとりをして
手に入れた、この本。

表紙の色鮮やかなイラストが
なんとも、そそる。

前半が、書き下ろしの小説
後半が、この小説を書くための
取材旅行の日記。

バリ島が舞台。

2日で読了。
思い出した。
吉本ばななさんの紡ぎ出す
描写、文体に
想像力を掻き立てられ
いっぱしの表現者のように
感性をトゲトゲさせてたころ。