本記載は主に本人の備忘のため思いつくままを書いた日記であり、その正確性(十分調査したか否か)や妥当性については保証の限りで無く、何か大きな勘違いもあるかも知れず、自信もありませんので、その旨ご了承ください。

今回のブログ、基本的にどうでもよい細かすぎるしょうむない話です。

先般、振り込め詐欺グループの宴会に参加して金を受け取った吉本芸人の事件に関して企業法務、コンプライアンスの専門家である弁護士の郷原信郎先生が「吉本興業と芸人の取引」は下請法違反、との論考を発表し、ネット上でずいぶん話題となりました。

「吉本興業と芸人の取引」は下請法違反~テレビ局、政府はコンプラ違反企業と取引を継続するのか
https://blogos.com/article/393037/

これを受けてかどうかは知りませんが公正取引委員会の事務総長が「契約書面がないことは競争政策で問題になりえる」とコメントされ、吉本興業は今後原則として書面の契約書を取り交わす方針としたそうです。

吉本興業の「契約書なし」、公取委「問題がある」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/yoshimoto-mondai_jp_5d3809fde4b020cd994b8a3e

言わんこっちゃない、郷原先生の言う通りじゃないか、と世間の人は思われるでしょうが、契約書面がないことは競争政策で問題、という指摘をもって下請法違反という見解といえるのか、というとそうでは無く、私は逆に下請法の適用が無いことを前提として、それでも問題はあるよ、という趣旨のように思いました。
じゃあ郷原先生は勘違いをされていたのか、というとそうではなく、先生自身「可能性がある」と含みを持たせた指摘をされているものです。
つまり「吉本興業と芸人の取引」は下請法の適用のあるものと無いものがあり、公正取引委員会の事務総長は専ら下請法の適用は無いのじゃ無いかと考えてそのようなコメントをされたのではないか、というのが私の憶測です。以下、その理由を述べます。
例えば、テレビ局が芸能事務所に「テレビ番組でホスト/ホステス役をする芸人誰でも良いからn人用意して連れてきて」と注文して、芸能事務所が契約関係にある芸人数人に声をかけるようなケースは下請法の適用があると思います。正に「役務の提供」を「再委託する取引」であるからです。
でも実際はテレビに出る芸人は誰でも良いかというとそうでは無く、テレビ局のディレクターか何かが「芸人のXXさん」を指名して出演交渉するケースが殆どでは無いかと思います。テレビ局側は出演交渉にあたって芸人に直接連絡を取るわけでは無く、芸能事務所に連絡を取ると思うのですが、それはその芸人と芸能事務所が専任媒介の関係にあると思っているからではないでしょうか。つまり事務所を通さないと出演依頼できないと思っているのです。じゃあ、芸能事務所と芸人の関係は契約書面や特約が無いのであれば、単なる仲介の依頼、本人と代理人の関係になるのではないか、それは「再委託する取引」とは言えないのではないか、というのが私の意見です。
だからテレビ出演などギャラが高い取引は殆どのケースが「芸人のXXさん」を指名して出演交渉するケースなので下請法の適用が無いのではないでしょうか。
代理人である芸能事務所が本人である芸人のためにテレビ局から受け取ったギャラの額を開示しない、というのはそれはそれで大問題であり、契約書も特段の特約も無いような状態で、あまりぼったくられているようなら裁判で訴えたら芸能事務所はかなり苦戦すると思います。報道されているような何百人も客入っているのに殆どギャラが無いとか、ギャラ1円とかは芸能事務所側の先行投資、持ち出しの累計が大きい状況下に限られ、売れてきて先行投資が回収できたら分配率は上げるなどはしているとは思いますが、そういう大雑把な不透明なやり方ではダメな時代になってきたのだと思います。