(毎度しつこいですが)本記載は主に本人の備忘のため思いつくままを書いた日記であり、その正確性(十分調査したか否か)や妥当性については保証の限りで無く、何か大きな勘違いもあるかも知れず、自信もありませんので、その旨ご了承ください。
消費者庁が5月18日に発表した“オンラインゲームの「コンプガチャ」と景品表示法の景品規制について”を確認しました。
消費者庁の見解は「取引の本来の内容」はガチャアイテム購入であるのでガチャアイテムは景品では無い、一方レアアイテムの提供はガチャアイテム購入に付随して提供されるもの(景品)だ、というシンプルなものです。
ガチャアイテムが何等ゲームの目的(ゲームクリアor高得点)に寄与しない「外れ宝くじ券」のような代物ならコンプガチャはOKになるのか否か、レアアイテムの獲得をもってゲームクリアorゲーム内のミッションクリアとなるゲームでもレアアイテム獲得は「取引の本来の内容」とは言えないのか、といった細かいケースまで答え合わせできる内容ではありませんでしたが「コンプガチャは~禁止される景品類の提供行為に当たる場合があります。」とあったので、当たらない場合もある=全部のコンプガチャがアウト、という見解では無さそうです。
しかしレアアイテム獲得が完全な宝くじ方式のゲームや、くじに当たらないと先に進まないゲームといったものは(実態は知りませんが)余り無いでしょうから議論する価値は低いかも知れません。
消費者庁が何故今回の件について所定の手順である「調査」→「弁明の機会の付与」→「措置命令or警告or注意orノーアクション」という段階を踏まなかったのかは判りません。上場企業数社がこの事業で数百億円もの売上を上げていること、オンラインゲームの課金形態が景表法に触れるケースがある、という思いもよらない適用であることから、不意打ちにならないように配慮したのかも知れません。
しかし、こうやって行政側から問題提起された以上、今後の法務部門の仕事としては個別のケースについて顧問弁護士のオピニオンを取った上で対策を立てるなり、当局のノーアクション制度(合法性について文書回答を求める制度)を利用するなりして事業リスクを減らしていく必要があると思います。それと共に今回の件が返金請求を大規模に引き起こすのか否か?引き起こすとして、そのダメージをコントロールすることは出来るのか否か?について検討しなければならないでしょう。
コンプガチャの景品表示法抵触を原因に返金請求が可能か?という点ですが、法令上考えられるケースとして次の3つのケースが考えられます。しかし、景品表示法に抵触したとしても、そのコンプガチャゲームが下記の3つの何れかに当てはまる、ということでは無いので、万一、裁判上の争いとなればゲームの構造・課金タイミング・不当性などについて一々個別のゲームごとに判断しなければならないでしょう。これは訴える側からしたら大変な手間であり、ゲーム事業者の経営リスクになるほど返還訴訟が殺到する、という事態にはなりにくいと思います。
(1)消費者契約法に定める「不実告知」を行ったとして、ガチャアイテム購入契約を取り消すケース
(2)レアアイテム獲得のためのガチャアイテム購入が錯誤無効である、とするケース
(3)レアアイテム獲得のためのガチャアイテム購入が公序良俗違反無効である、とするケース
では、コンプガチャは法的リスクの低い、事業継続性の高いものと言えるか?コンプライアンスの観点から問題ないと言えるか?というとワタクシは否定的見解です。以前「コンプガチャの適法性について検討してみました」において「株価急落するほどの話かなあ。。とは個人的には感じます。」と申し上げましたが、この部分は若干修正したいと思います。
未成年者への課金が親権者が同意した証拠を取得すること無しに開始されているケースが多いのでは無いか?未成年者本人がシステム上で親権者の同意を得た、と入力しても、自動登録なら詐術にならないのでは無いか?という未成年者課金問題については「ソーシャルゲーム事業の法的リスクについて」で書いたとおりですが、これ以外にコンプガチャは事業継続性に疑念を生じさせるような法的リスクをはらんでいると思います。この考察については別途記述します。