子供の感覚統合障害知って 行動理解の一助として機能回復へ
最近、こんなニュースがありました。
「この記事の著作権は産経新聞に帰属します。」
こちらの動画を是非見て下さいね~(^^♪
触覚や聴覚、平衡感覚など、「感覚」から受け取る情報処理が脳内でうまく働かないために日常生活に問題を生じる「感覚統合障害」。米国では、自閉症やアスペルガー症候群など発達障害の子供たちを理解する手段として注目を集めており、日本でもその動きが広がり始めている。(岸本佳子)
◆過敏に反応も
人間の脳は、触覚や嗅覚(きゅうかく)、視覚などさまざまな感覚から情報を受け取り、整理し、動作の指示を出す。感覚統合障害は、その一連の流れのどこかでつまずいてしまうため、その場に合った行動がとれないなど日常生活がスムーズに送れない状態を指す。約50年前、米国の作業療法士によって理論が打ち立てられ、研究が進んだ。
感覚統合障害にはいくつかの種類がある。例えば、感覚が非常に敏感なタイプは、役に立たない刺激を含めた多くの感覚刺激に反応し、必要以上に興奮や緊張することがある。マッシュポテトを食べて小さな塊を口腔(こうこう)で感じたとき、通常は一瞬注意を払っても無視するが、このタイプの感覚統合障害の子供は「いやだ、やめて!」と過敏に反応してしまう。
感覚統合障害は、早期に専門家とかかわることで機能の回復を目指すことができる。タイプなどを見極めたうえで、トランポリンやボール、粘土などを使って遊びを通した訓練や、言語療法、乗馬療法などを行う。
米・カリフォルニア州に住む高松綾子さんの長男は生まれてから泣き方が激しく、友人の家やスーパーなど自宅以外の建物に入ると、1、2時間も泣き続けた。首座りなど発達の遅れも見られたため小児科で相談したが、「様子をみましょう」。不安を抱えていたところ、書籍で感覚統合障害を知った。長男の状況に当てはまったことから作業療法士に相談。前庭感覚(平衡感覚)などに問題がある感覚統合障害だと言われたという。
◆少ない専門家
「感覚統合障害を知って、息子は息子なりに頑張っていると気付きました。親である私が一番理解してあげなくては。見る目が変わりました」と高松さん。現在6歳の長男は、作業療法士のもとでボールを使った運動や、はさみや鉛筆の訓練などを受けている。
「感覚統合障害は新たな障害ではなく、発達障害の子供に対する違った切り口での理解の方法」。日本感覚統合学会長で県立広島大学保健福祉学部教授、土田玲子さんは、こう説明する。そのうえで、感覚統合障害を知ることで「子供の行動の理由が見えてきて理解につながることが大切だ」という。日本では保育士や作業療法士を中心に広がり始めているが、適切に子供に指導できる専門家は少ないのが現状で、養成が課題となっている。
感覚統合障害はあまり知られていない。高松さんは長男の状態を日本の家族や知人に説明しようとした際、一般向けの書籍が少ないと気付いた。そこで、感覚統合障害の入門書を翻訳し、6月に『でこぼこした発達の子どもたち』(キャロル・ストック・クラノウィッツ著、すばる舎、2520円)として出版した。
「多くの人に知ってほしい。かつての私と同じように悩んでいる親御さんの力になれたら」と、高松さんは話している。
◇
■障害にはさまざまなタイプ
高松さんが翻訳した『でこぼこした発達の子どもたち』では、感覚統合障害のさまざまなタイプが紹介されている。
強い感覚刺激を求めるタイプは、自分の指やシャツの袖口などをかんだり、長時間ブランコに乗り続けるなど激しい遊びをしたりする子供もいる。また、感覚情報を適切に理解できないため体をうまく使えず姿勢に問題を生じるタイプでは、スキップや自転車をこぐなどの動作や、つま先歩きなどが苦手な場合もある。
◆過敏に反応も
人間の脳は、触覚や嗅覚(きゅうかく)、視覚などさまざまな感覚から情報を受け取り、整理し、動作の指示を出す。感覚統合障害は、その一連の流れのどこかでつまずいてしまうため、その場に合った行動がとれないなど日常生活がスムーズに送れない状態を指す。約50年前、米国の作業療法士によって理論が打ち立てられ、研究が進んだ。
感覚統合障害にはいくつかの種類がある。例えば、感覚が非常に敏感なタイプは、役に立たない刺激を含めた多くの感覚刺激に反応し、必要以上に興奮や緊張することがある。マッシュポテトを食べて小さな塊を口腔(こうこう)で感じたとき、通常は一瞬注意を払っても無視するが、このタイプの感覚統合障害の子供は「いやだ、やめて!」と過敏に反応してしまう。
感覚統合障害は、早期に専門家とかかわることで機能の回復を目指すことができる。タイプなどを見極めたうえで、トランポリンやボール、粘土などを使って遊びを通した訓練や、言語療法、乗馬療法などを行う。
米・カリフォルニア州に住む高松綾子さんの長男は生まれてから泣き方が激しく、友人の家やスーパーなど自宅以外の建物に入ると、1、2時間も泣き続けた。首座りなど発達の遅れも見られたため小児科で相談したが、「様子をみましょう」。不安を抱えていたところ、書籍で感覚統合障害を知った。長男の状況に当てはまったことから作業療法士に相談。前庭感覚(平衡感覚)などに問題がある感覚統合障害だと言われたという。
◆少ない専門家
「感覚統合障害を知って、息子は息子なりに頑張っていると気付きました。親である私が一番理解してあげなくては。見る目が変わりました」と高松さん。現在6歳の長男は、作業療法士のもとでボールを使った運動や、はさみや鉛筆の訓練などを受けている。
「感覚統合障害は新たな障害ではなく、発達障害の子供に対する違った切り口での理解の方法」。日本感覚統合学会長で県立広島大学保健福祉学部教授、土田玲子さんは、こう説明する。そのうえで、感覚統合障害を知ることで「子供の行動の理由が見えてきて理解につながることが大切だ」という。日本では保育士や作業療法士を中心に広がり始めているが、適切に子供に指導できる専門家は少ないのが現状で、養成が課題となっている。
感覚統合障害はあまり知られていない。高松さんは長男の状態を日本の家族や知人に説明しようとした際、一般向けの書籍が少ないと気付いた。そこで、感覚統合障害の入門書を翻訳し、6月に『でこぼこした発達の子どもたち』(キャロル・ストック・クラノウィッツ著、すばる舎、2520円)として出版した。
「多くの人に知ってほしい。かつての私と同じように悩んでいる親御さんの力になれたら」と、高松さんは話している。
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■障害にはさまざまなタイプ
高松さんが翻訳した『でこぼこした発達の子どもたち』では、感覚統合障害のさまざまなタイプが紹介されている。
強い感覚刺激を求めるタイプは、自分の指やシャツの袖口などをかんだり、長時間ブランコに乗り続けるなど激しい遊びをしたりする子供もいる。また、感覚情報を適切に理解できないため体をうまく使えず姿勢に問題を生じるタイプでは、スキップや自転車をこぐなどの動作や、つま先歩きなどが苦手な場合もある。
「この記事の著作権は産経新聞に帰属します。」
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