4月15日(月)

道議会公明党(阿知良団長、荒当議員、中村議員)として高知県黒潮町にある津波避難タワーを視察調査しました。

黒潮町といえば、南海トラフ地震で国内最大津波高34.4mの予想値が出た町です。

役場の防災課長から、当時の様子をリアルに教えていただきました。

『犠牲者ゼロをめざす黒潮町の地震・津波対策』

最大震度→「7」

予想津波→34.4m

津波到達時間→「2分」

町民からは、あきらめに似た声、避難放棄者を多く生み出すような危機感が広がったとのことです。

国の想定では、人口12,000人のうち2,300人が命を落とす、町内全61集落のうち、40集落が津波被害の可能性と…。



最大震度「7」、最大津波高34mの町で犠牲者ゼロをめざす黒潮町。大変、感銘を受けました。

およそ6億円で建設された津波避難タワーに目が行きがちですが、黒潮町は、対策よりもむしろ、思想から入る防災をめざしています。

多少のことではブレない、避難放棄者を出さない、あきらめない、揺れたら逃げる。より早く、より安全なところへ。

ハード面は避難タワーなどですが、注目するのは、ソフト面対策。

防災地域担当制をつくり、町民1人ひとりの戸別津波避難カルテの作成など独自の取り組みを展開されています。このことで町内にある避難所にどこの道を通るのか、また最大何人が集まるのか、既に把握していることになります。



タワーは階段に加えてスロープもあり車イスなどもおしていけます。

各階には励ましのメッセージがあります。

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最上階は、広いフロアとなっており、暖房器具(ガスストーブ)やアレルギー対応の缶詰などが備蓄されています。これは黒潮町が3セクで缶詰製作所を立ち上げて、アレルギー対応の缶詰を生産して非常時でも日常でも多くの人に安心して食べてもらう対策もされています。いわゆる8大アレルゲンであるたまご、牛乳、小麦、そば、えび、かに、落花生、くるみなど食物アレルギーに配慮した食料の確保に努めています。

役場の防災担当課長曰く、我々には、想定外だったという言い訳は通用しない、出来得る限りの対策で、町民の命を守り、犠牲者ゼロをめざす、と言われていた言葉が強く印象に残りました。

北海道の太平洋側、釧路市も千島海溝型地震による津波が想定されています。想定外など絶対にあってはなりません。市は、出来得る限りの津波対策をしっかりと行うことを強く望みます。