早苗が手に持ったままの紙コッ位元堂 防掉髮 プの中では、コーヒーが複雑な波紋を作っていた。
「康之くんは、はっきりと、死が目前に迫っていることを知ってます。必死で運命を受け入れようとしてるんですけど、若いから、まだ生きようとする心のエネルギーが強くて、それで、ひどく苦しんでるんです。それなのに、私にも泣き言一つ言わないんです。何だか、それを見てるだけで辛《つら》くて……」
早苗は絶句した。
「やっぱり、あなたにも心のケアがね」
美智子は微笑《ほほえ》んだ。
「すみません」
「何も、謝ることはないわよ。ただ、ここでは、たくさんの人をできるだけ心安らかに向こうへ送ってあげることが仕事でしょう? 誰でもいつかは死ぬんだからね。あなたも、私も。そのたびに神経をぼろぼろにしていたら、終末期医位元堂 防掉髮 療《ターミナル?ケア》は務まらないわよ」
「はい」
美智子は立ち上がった。ソファの肘掛けに腰掛けていたときと、さほど頭の高さは変わらない。
「だいぶ寝不足みたいだから、少し仮眠を取った方がいいわね。薬の処方は、お手のものでしょう?」
「ええ。ご心配いただいて、すみません」
「じゃあね」
美智子は、部屋を出ていこうとした。
「あの。先輩」
「何?」
「私の愚痴を聞いて、気持ちが軽くなるようにするために、わざわざ来てくれたんですか?」
「そうよ」
「すみません。いつもお気遣い位元堂 防掉髮 いただいて。私なんて、人の心を救いたいだとか、大きなこと言ってホスピスを志願したのに」
美智子は首を振った。