父が死ぬ少し前
私は父との確執があり
助けが欲しくて
頼った母は
味方ではなく
敵になった
下の姉が話を
聞いてくれたけど
家族の中で
孤立気味だった私
毎日苦しくて
心が痛くて
ある日
父と言い合いになって
反抗しながらも
よく殴られていた私は
身体の大きい父が怖かった
震えながら
それでも私は
父への怒りで
湧き上がってくる
黒い感情のまま
思わず言い捨てた
『死んだらいいのに!』
言ってすぐ後悔した
嫌な言葉だった
怒鳴られて
叩かれたけど
昔と違い成長していたし
自分をかばって抵抗し
父をひたすら睨みつけた
両親が嫌った私の眼
『親に向かってその目は何や!』
要領のいい姉と違って
すぐ謝ったりしない私
扱いにくい子って
よく言われていた
意地もあって
訂正する気持ちにもなれず
その時はうやむやに終わった
何日かして
本当に父が死んだ
バイト先にいた私に
病院にいる
家族から連絡があり
私以外はみんな
今病院にいるらしい
驚いて声も出なかった
朝の通勤途中
トラックの後ろに
つっこんだ事故?
父はペースメーカーを
入れていたので
機械が止まった可能性もあり
司法解剖に回された
最後の朝
父を見たのは私だけ
父との喧嘩を
思い出した
父は自殺したんじゃ・・・
私の責任?
私が願ったから?
怖くて怖くて
苦しくて
あんなに憎くて
たまらなかった
父なのに
遺体を見て
本当なんだって
涙がどんどん溢れて
止まらなかった
私は意図せず
命の責任を背負った
以前にもあった
10歳か11歳ぐらい
だったかな
母方の祖母が
親族と金銭問題で揉めて
うちの近所に
住むことになったとき
年も年やし
何があるかわからんし
お父さんの親族が
同居するんは
うるさいから
あんた一緒に
住んであげてくれへん?
家を回している
母と下の姉が言っているので
聞いてるけど
決定事項
好きなのも事実
夜、祖母の家で眠り
朝ごはんを食べて
そこから学校へ
帰宅後は自分の家で
ご飯やお風呂
という生活が
しばらく続いた時期があった
うちの近所だったし
いつでも帰れると思ってた
しばらくして
夜中に祖母が
体調を悪くなり
夜中だから眠くて
私は祖母が大丈夫という
言葉を鵜吞みにして
眠ってしまった
けど異変に気付いて
今度は飛び起きて
幼いなりにに必死で
対処を考えた
心配だったけど
祖母に氷枕をあてて
今みたいに携帯もなく
電話がなかったので
まだ暗い中家に走った
死んじゃったら
どうしよう
なんで最初の時
信じて眠ったん?
自分を責めて
家に着いて
泣きながら
家族に説明した
動揺しすぎて
動けない家族を見て
なんか急に冷静になって
救急車を呼ぼうと
小学生だった私が電話(笑)
必死に説明して
早く早くって焦ってた私を
電話の向こうの人が
落ち着いてと
誘導してくれた
さすがに途中で
母か兄に変わったと思う
救急車が来るまで
気持ち的には長かった
祖母は命に
別状はなかったけど
入院後しばらくして
認知症の症状が
出るようになった
この頃から
私に家族が
やりたくないことを
私はしっかりしているから
とか
ひまだから
とか言われて
私に振られることが増えた
父の心臓の手術後
母は夜遅くまで
一階でお店をしていたから
見守れない
隣の部屋の父の変化に
気を配ってほしい
通常のいびきとの違いとか
大人だって
説明されたぐらいじゃ
解らない
責任を負わされて
小学生の子が
なんでやねんって
今なら思うけど
父の司法解剖の
結果はグレー
直接の死因は
衝突による脳や身体のダメージ
意識を失ったまま
衝突で死んだ可能性が高い
というなんとも
あいまいな鑑定だった
つづく
