野衾
多田克己氏の著書を読んで愕然となったのは、妖怪は必ずしも伝承に基づく妖怪現象ではなく、ただの駄洒落、しかも卑猥な類いの冗談である可能性がある奴が混じっていること。
例えば冒頭の野衾、さすがwikiと言うか、真面目な事しか書いてない。
というか、ムササビだのモモンガだのコウモリだの、実在の小動物を妖怪と認識していた可能性を示唆している。
ちょっと気の効いたサイトなら、江戸時代の遊び、布団を被って隠れ、人が入ってきたら「ももんがあ!」と叫んで驚かす奴が記載されている。
確かに、ももんがあは、江戸の化け物の代名詞である。
…ところで、女性器の異名を、皆さん、どれだけ知っているだろうか。
実は、以下はそれを指す言葉でもある。
お化け。
ももんがあ。
ムササビ。
ふすま。
…そして、江戸時代、「北国」と言えば、江戸城の北に位置した吉原を指す。
野鉄砲のキャプション冒頭に、ご丁寧に記されている。
「北国の深山にゐる獣なり」
プロトコルに従って解読すれば、確実に卑猥な話である。
「野衾」の「口」から吹き掛けられた何かで、「北国を訪れる旅人」を気絶させる。
とにかく、「北国」というキーワードが出た際は、その妖怪は現象としては実在しない。
衾だのももんがあがお化けの代名詞だけに、すごく判りにくくなっているが、単なる猥談である。