消しゴム。

人類平和銀行と言う銀行がある。

私の友達が、その銀行のクレジットカードを持った。

この銀行の方針は、全世界の人々の平和の為に

世界の半数以上の人々に

このクレジットカードを使って頂きたい、と言う内容。


怪しい、と、私は、思っていた。


私の友達は、今、30歳前半のサラリーマン。

その友達が、クレジット契約を済ませて

私のところへやって来た。

そして、ビックリしたような顔で私に話す。


その契約内容は、

①このクレジットカードは、10回まで利用可能。
②返済は、10億円を30年後に一括支払い。
③このカード使用の際は、自分の願い事を強く頭に描いて
 ご使用下さい。

と言う内容のようだった。


彼は、すでに1回試しにこのカードを使用したようだ。

それは、サマージャンボ3億円が当ります様にと

願ってクレジットカードを使ったら・・・当った!


彼曰く、コレだったら10億円返すのは問題無いし

であれば、すぐにお金を作って一生ラクしよう!と

言って、次々とカードを使い、お金持ちになった。


株式投資、競馬、TOTO、LOT6などなど。

遂に彼は、30億円のお金を1ヶ月で手にした。

これで、俺は、一生贅沢に、楽しく暮らせる。


毎日が、ばら色の人生だ・・・・と叫んだ!


お金があるのを利用して美人の奥さんを貰い、

そして、億ションに住み、海外旅行、高級車・・・・。


時間は山ほどあるので、毎日を遊んでいた。



それから30年が経った・・・・彼ももう60台半ば。

いよいよクレジットカードの返済の日が来た。


手元には、まだ、20億円位のお金が残っていた。


楽勝である!


その日、彼は返済のために10億円を持って銀行へ行った。

窓口で、10億円とクレジットカードも返し、

帰ろうとしたら、

奥から黒いスーツを着た男の人が現れた。

そして、言った。

「いつも当銀行をご利用いただき有難うございます。

10億円のご返済は、終了したようですが、

最終の契約終了手続きがまだ終わっておりませんので

奥のお部屋に入らして頂けますでしょうか。」

彼は???と思った。


奥の部屋へ入ってソファに座ると

銀行の人が30年前の契約書を持ってきた。

そして、銀行の人が話しはじめた。

「契約書の最後のこの部分がまだのようですねえ。」と。

彼は、読んだ。


その内容は、30年後に10億円の一括返済。

そして、

利息は、借主の身体、魂。

と言う記述あった。


えっ!


彼は、見落としていた。

顔が、青ざめた・・・・そして、彼は言った。

後、2億円を利息で支払いますので、なんとか・・・・と。


答えは、ノーであった。


そして、

その部屋に数人の男が入ってきて彼を押さえた。


彼は、叫んだ・・・・・が。


その後、彼の身体は、インドで解剖され、

そして、魂は、地獄へと落ちた、


・・・・・・と言う。

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幸福のクレジットカード。

人類平和銀行と言う銀行がある。

私の友達が、その銀行のクレジットカードを持った。

この銀行の方針は、全世界の人々の平和の為に

世界の半数以上の人々に

このクレジットカードを使って頂きたい、と言う内容。

怪しい、と、私は、思っていた。


私の友達は、今、30歳前半のサラリーマン。

その友達が、クレジット契約を済ませて

私のところへやって来た。

そして、ビックリしたような顔で私に話す。


その契約内容は、

①このクレジットカードは、10回まで利用可能。
②返済は、10億円を30年後に一括支払い。
③このカード使用の際は、自分の願い事を強く頭に描いて
 ご使用下さい。


と言う内容のようだった。


彼は、すでに1回試しにこのカードを使用したようだ。

それは、サマージャンボ3億円が当ります様にと

願ってクレジットカードを使ったら・・・当った!

彼曰く、コレだったら10億円返すのは問題無いし

であれば、すぐにお金を作って一生ラクしよう!と

言って、次々とカードを使い、お金持ちになった。

株式投資、競馬、TOTO、LOT6などなど。

遂に彼は、30億円のお金を1ヶ月で手にした。


これで、俺は、一生贅沢に、楽しく暮らせる。

毎日が、ばら色の人生だ・・・・と叫んだ!

お金があるのを利用して美人の奥さんを貰い、

そして、億ションに住み、海外旅行、高級車・・・・。

時間は山ほどあるので、毎日を遊んでいた。



それから30年が経った・・・・彼ももう60台半ば。

いよいよクレジットカードの返済の日が来た。

手元には、まだ、20億円位のお金が残っていた。


楽勝である!


その日、彼は返済のために10億円を持って銀行へ行った。

窓口で、10億円とクレジットカードも返し、

帰ろうとしたら、

奥から黒いスーツを着た男の人が現れた。


そして、言った。

「いつも当銀行をご利用いただき有難うございます。

10億円のご返済は、終了したようですが、

最終の契約終了手続きがまだ終わっておりませんので

奥のお部屋に入らして頂けますでしょうか。」

彼は???と思った。


奥の部屋へ入ってソファに座ると

銀行の人が30年前の契約書を持ってきた。

そして、銀行の人が話しはじめた。

「契約書の最後のこの部分がまだのようですねえ。」と。

彼は、読んだ。


その内容は、30年後に10億円の一括返済。

そして、

利息は、借主の身体、魂。

と言う記述あった。


えっ!

彼は、見落としていた。

顔が、青ざめた・・・・そして、彼は言った。

後、2億円を利息で支払いますので、なんとか・・・・と。


答えは、ノーであった。


そして、

その部屋に数人の男が入ってきて彼を押さえた。


彼は、叫んだ・・・・・が。


その後、彼の身体は、インドで解剖され、

そして、魂は、地獄へと落ちた、


・・・・・・と言う。

消しゴム。

久しぶりに故郷に帰った。

電車に乗り、それからバスに乗り換えやっと着いた。

そこから小さな商店街を通って歩いて約10分で到着する。


街の様子は、新しくなるどころか

化石のように風景は変わらずそのままであった。

お店は、商品も少なく誰が買いにくるのだろうと思うくらい寂れていた。

この街は、すでに高齢者だけしか暮らしていない街となっているようだった。


街を歩いていると懐かしい文房具屋さんを見つけた。

幼少のときによく買いに来たお店である。

懐かしさに引きずられ店に入ってみた。

棚には埃のかぶって

何時仕入れた商品か分からないようなモノがたくさんあった。


ふと商品棚を見ていると珍しい消しゴムを見つけた。

レトロな箱に入った100個限定と書いてあって

消しゴムのメーカーの名前が「みらい文具社」とあった。

聞いたことのない会社だなあと思った。

それが1個だけ残っていた。

値段は100円で買ってみることにした。


それから、私の実家へいった。

父と母はもう80を超えているが、なかなか元気でホッとした。

酒を酌み交わし、懐かしい田舎料理に感動した。

今回の帰郷には、特別な訳があった。

それは、長年連れ添った妻との離婚や会社のことなど

心身ともに疲労をしていた時に

田舎に帰りたいと衝動的に思った。

きれいな空気と静かな田舎で少しの休息を取りたかった。


夕食も終わり風呂に入り寝床に着いた時、

ふと、先ほど買った消しゴムのことを思い出した。

珍しい消しゴムだなあと思い箱を開けてみることにした。

その箱の中には、小さな紙切れが入っていて、

その内容は、

あなたのイヤな過去を消してみませんか!

部分的な過去でもすべての過去でもきれいに消すことが出来ます。

使用方法はカンタン。

この箱に入っている特別な用紙に

あなたの消したい過去の年月日と内容を書いて

この消しゴムで消してください。

その部分の内容がきれいにこの世から消えます。

*注:①嘘や偽りのない事をお書きください。
   ②跡形もないようにきれいに消してください。

    後が残ると不幸が生じます。
   ③使用できる内容は3回までです。

この消しゴムを使用することによって不具合が生じても

当社では一切関知しないことをご理解ください。

と言う内容だった。

子供だましにしては良くできていると思ったが、

面白そうなのでやってみることにした。


妻の離婚回避を書いてみた。

何度も読み返して、これで良しと思った。

そして、その消しゴムで丁寧に消した。

消すたびに頭の中のどこかにスーッと言う風が通るような感じがした。

きれいに消し終わった後、私の重い気持ちが軽くなった。

なんとなく携帯を持って妻に電話をしてみた。

妻は、相変わらず明るい声で

「どうして実家へ私を置いて行ってしまったの!」などと

普通の会話に戻っていた。

本当に過去が消えている。スゴイ!

今度は、会社でのミスを消そうと思った。

そして同じように消しゴムで消した。

最後の一つをどうしようか悩んだ。

そうだ!借金を消そう、と思った。

マンションのローンなど今ある借金を書いてみた。

そして、

「これで、最後の願いが叶う!ヤッター!」と言って消しゴムで消した。

しかし、最初の2枚を丁寧に消したために消しゴムが小さくなりすぎていた。

ヤバイと思った。

未来銀行の住宅ローン3500万円、自動車ローン250万円、

子供の教育ローン200万円、

クレジット80万円、両親からの借金500万円を消したい。

消しゴムで消すことが出来た部分は

クレジットまでで両親の借金まで消すことが出来なかった。

数日間、何事もなかった日々が続いた。

確かに、住宅ローンなどは借り入れがない状態になっていた。

私は、親からの借り入れは月々しょうがないので払えばいいと思っていた。


数日後に、みらい文具社から手紙が届いた。

その内容は、

この度、当社の消しゴムをご購入いただきありがとうございました。

しかし、あなた様のご利用に当たって

当社規定通りの使用とならなかったようです。

従いまして注意事項にもあるように、たいへん申し訳ございませんが

あなた様に不幸が生じることとなりました。

明日、何かしらの事が起きますので事前にお知らせをいたします。

これからも当社商品のご愛顧をよろしくお願いいたします。

と言う内容だった。

ゾッとして、震えが止まらなかった。


その翌日に

私は、勤めている会社の社員でもなく、戸籍もなく、結婚した事実もなく、

世の中から、私個人が抹消された。

そして、ホームレスとなった。

タイマー付ナイフ。

未来金物店でそれを見つけた。

古びた店の片隅で埃になって

タイマー付ナイフ(非売品)があった。

店主に譲ってくれるようにと言ったら

5万円だ!と言った。

値切って3万円で買った。


説明書も半分読みつつ

試しに5分タイマーを設定して

紙を切ってみた。

切れなかった・・・が、

5分後に、シューッと言う音とともに

紙が切れた。

驚きのマジックである。


今度は、リンゴを切ってみた。

ナイフは、リンゴの中をスーッと通って行ったが

リンゴは、その時点では切れなかった。

5分後。

リンゴが、パカッと割れた。


次に何に使おうかと考えた。

外に出て

車のタイヤを刺した。

やはり、スーッとナイフがタイヤの中に入って行った。

5分後。

プシューッと言う音がして空気が抜けた。


カラダが異様な興奮で熱くなってきた。

今後は?アッ、猫が居た。

5分後に、

ホースから水が出るように血が噴出した。


次は?ビルの3階から下にナイフを落とした。

サラリーマン風の若い人の肩をかすった。

20分後に救急車が来た。


あいつに?


あいつも?


だれでも?


凶器は、人を変えた。


それから1週間後、

タイマーが動かなくなった。

説明書を読んでみると

タイマーの寿命は100分で終わりであった。


さらに、説明書をよく読むと

使用にあたっての注意として

このナイフは自殺志願者用のナイフで

自殺する前に自由なカタチでお使い下さい。


タイマー終了後は、ナイフの柄から出る微量の薬が

体内に入り苦しむ事も無く死ぬことが出来ます。

死ぬまでの時間には個人差があります。

使用にあたっては注意事項をよく読んでからご使用ください。

とあった。


死を目前にした絶望感が頭を過ぎり、

震えがきた。


もう一度説明書に目を通した


その下に

Made in China

と書かれてあった。


ナントか不良品であってほしい・・・・。


それが、最後の望み


・・・・・・であった。