各自治体で取り入れられている『指定管理者制度』。
これは報道でもある様に、さまざまな問題点があるのは周知のとおりだ。
今回岐阜県庁で発覚した贈収賄事件は、指定管理者制度にまつわる入札方式が発端となっている。
指定管理者制度については賛否両論がある事は承知であるが、それには触れず客観的な利点と思われる事項を書き出してみる。
まず行政職員の削減をする事が出来る事だ。
その施設の体制にもよるが、指定管理者制度を導入していない施設は行政職員(または行政が雇用している職員)が勤務している。
この施設に指定管理者制度を導入すれば、その職員を削減する事が出来る。
一般的に、指定管理者制度に関する積算上の人件費はある程度の金額が担保されているが、人件費が年々上昇することはない。(昇給分までは考慮していない)
その代わり受益者負担額が増加して(利用者数が増える)収益が出てもそれを行政が回収する事はない。
ここまでは誰でも気付く点である。
実は更に人件費の削減が可能なのである。
それは事業費に計上されていない人件費の削減である。
一般的に、事業費の中には事業を円滑に遂行する為に行なっている雑務の人件費は計上されていない。
例えばアルバイトの募集などの雑務。従来通りであれば、庁舎内にいる職員が欠員が出たら随時募集をしたりしている。また労務者の勤務工程表を作成なども雑務としてある。こう考えると意外に見えない人件費がかかっている事が判る。
この分が指定管理者制度の導入で削減出来るのだ。
裏を返せば、管理事業者は事業費に計上されていない作業もしなければならないという事である。
行政が指定管理者制度を導入すれば、人件費の削減が最大の利点となるのはこれで理解出来るだろう。
だから横浜市は指定管理者制度を積極的に取り入れ、行政職員の削減につながった。
この様に財政的な大きな利点はあるのだが、市民サービスという観点から考えると本当に良い施策なのかは判断出来ない。