先日、知り合いと話をしていた時、「あさぼらけ」という言葉がでてきました。なんかきれいな、よい響きのある言葉だなぁと思いました。知り合いは「百人一首」の中に「あさぼらけ」という歌があると言っていましたので、家に帰って調べてみました。
調べて見ると、2首ありました。
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
坂上是則 「古今集」
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
権中納言定頼 「千載集」
で、「朝ぼらけ」の意味は、夜がほのぼのと明けるという意味の雅語だそうです。
こうしてみると日本語には、きれいな、読んで響きの良い言葉たくさんありますね。そして、義妹の結婚式のとき、讃美歌が歌われましたが、その歌詞を読むと、とてもよい言葉で翻訳されてますね。翻訳された方の努力やセンスの良さが伝わってきます。
妹背をちぎる 家のうち、
わが主もともに いたまいて
父なるかみの 御旨(みむね)に成れる
祝いのむしろ 祝(しゅく)しませ 「430番 結婚式」より
思うに、今は、カタカナ言葉、外来語が氾濫してますね。テレビを見ていて、評論家の方が難しい専門用語、カタカナ言葉を使って話をされますが、みている私らは何の意味なのか分からず聞き流したりしていますが。やはり言葉で仕事をする人は、安易にカタカナ言葉や外来語で流されないでほしいです。
明治時代、西洋からいろんな言葉や物、習慣が洪水のように入ってきましたが、明治の知識人たちは、それを日本にうまく合わせる努力をしたように思います。先ほどの讃美歌にしても、聖書をそのまま訳すだけではなく、きれいな言葉に翻訳したと思います。
もっともっと昔からあるきれいな言葉を知り、使っていきたいと思います。