~Ⅷ-①の続き~


さってそれでは  メインイベントの後半です




手術室に入ると、いよいよ気が引き締まってきた。センセが最後の確認をしてきた



センセ 「これから(睾丸を)取っちゃうけど、元には戻せないけど


      本当にいいんだね?」


私   「はい、お願いします・・・」


センセ 「それではズボンと下着脱いで、コレ着て手術台に寝てください」



渡されたのは薄いブルーの下半身の前だけを隠す術衣。  褌の前だけみたいな。


くー、どんどん切なくなってきた


しかし止まれない、ここでやらなきゃ一生後悔する。




下半身の準備を終わらせ手術台に横たわると、


切なさと逃げ出したい気持ちがMAXになって襲ってきた。


そんな心の葛藤が焦燥感を生んだのか、センセの準備は遅く感じた


なかなかこちらに来ない。


今まで、この状態から思い直して引き返していった人がいたんだろうか・・・


それを聞く勇気はなかった




全ての術前準備はセンセが1人でやっていた。


受付の女性は手伝わなくていいのか?


などど考えているとセンセが近づいてきて、右手に脈拍計を取り付けた。


ピッ、ピッと規則正しい鼓動は、やたら早く聞こえる。



センセ 「じゃ、始めます」



無菌ゴム手をはめたセンセは、おもむろに術衣を捲ると陰嚢を掴み、何か目印でも


付けているみたいだった。  睾丸も触っていたから、切開線を探っていたのかな


麻酔を取り出したセンセは、陰嚢に針を刺し注射。


しばらくすると、触られている感触が曖昧になってきた


そして遂にメスが陰嚢に入り、睾丸摘出術は開始された




最低限の麻酔というのは、切れる寸前で追加していくやり方でかなり痛みを伴った。  


表面に出した睾丸に直接麻酔を打ち(コレがズ~ンと響く)、


効いている内に電気メスで陰嚢の中の器官と切り離していく。


擬音語にするとグリグリかな。  


精索の止血をする電気メスのバチバチッという音以外聞こえない


麻酔が効いているので何をどうしているのかは具体的に分からなかったが、


睾丸が表に引っ張られて何かされている感触はあった。 電気メスは痛くなかったが


睾丸の動かされる時の何とも言えない気持ち悪さ?  例えるなら腹ズ~ンか・・・


それがずっと続く。  右はなんとか耐えたが、左は身体が硬直するくらい痛かった


麻酔してても痛い。  左は通常右より神経や血管が太いらしく、もー言葉に


言い表せられない。  往生するかと思ったね、思い出したら痛くなってきた・・・




ここを乗り切れば一生苦しまなくて済むと痛みと苦しさを耐え切った。


途中患部の止血具合を見ながらだったので1時間の手術予定だったけど


2時間以上経っていた。


手術の合間にも患者が来ていてセンセは忙しそう


下半身丸出しで袋に穴が開いたままの私であった・・・





センセ 「終わりですよー  後はテーピングで圧迫固定です」



縫合しながらセンセは手術が上手くいった事を報告してくれた。


粘着力のあるテープで陰嚢をグルグル巻きにし、しばらく安静に。


麻酔は効いていたが、身体を起こしゆっくり立ってみる


腰が重く感じるけど歩けなくない  スースーする下半身にズボンを履こう



センセ 「これがあなたの睾丸です。どうしますか?」



見せてもらうと、脂っぽくない青白い砂肝がそこにあった


これが睾丸か、2ちゃんの説明の想像通りだな。



私    「持っていっても仕方ないんで処分してください


      ・・・・・・今までお疲れ様でした」



32年間連れ添った相棒に語りかけ、合掌  活躍の機会少なくてゴメンネ。。。


天に召された相棒に別れを告げ、手術室を後にした。


様子を観察しながらセンセは1階の玄関まで見送ってくれた。


術後のケアまでが重要だと諭され、私はセンセにお礼を言った


玄関を出て歩き始めるとさすがに感覚が変だが大丈夫、これならバスでも


問題ないかな。  あとは最後に渡された痛み止めと抗生物質があるうちに


傷が治るのかどうか。  化膿や出血さえ無ければいいらしい






とりあえず落ち着いて座っていられる場所が欲しい、バスの時間まで10時間


歩き回って時間を潰す気力はないなー


△△駅に着き、ネカフェを探す。  袋の様子を見つつ、安静にしてよう




暗くなるまでネカフェで待機し、出血や極端な腫れが無かったのでセンセにメール。


この時間まで異常が見られないので帰宅にOKが出た。


それでは東京駅に戻るか・・・




しかし東京駅周辺って娯楽施設少ないのな、何かいいのがないかと探したが


飲み屋街と本屋しか興味をそそられる建物が無かった。


今はお酒飲めないし、本屋は集中力が散漫になってて読めない。


バスの集合場所の近くにビルがあり、テーブル付きの椅子が


フリースペースにあったので占拠。  もう歩きたくないよ・・・


ケータイで2ちゃんを見ていたらバッテリーが無くなってきた


充電しなくては、、、  ビルを歩き回り、地下トイレの出口付近に


コンセント発見、ビルから電気を貰いながら2ちゃんを続けた。


やることなくてホント暇だったんだよー  ビルのオーナー  スマソ・・・




長い暇つぶしを終え、バスの乗車時間が来た。


東京側では同じ場所に沢山の路線が同じ時間帯にひしめいていた。


別にここの苦労話は書くに値しないので、聞きたい方、これから東京で


去勢したい方は個別にメールください。


印象が深すぎて細かく書きすぎたけど、日記なんでいいでしょ?


最後はかなり寒くてぶるぶるでしたが、無事に長い一日は


幕を閉じ、明日からの宦官ライフに顔がニヤケる私でありました。




おぴまい

  ~Ⅶの続き~


もともと眠りの浅い私は、バスではウトウトするのが精一杯。


仕方ないので起きているうちは2ちゃんでも見てよ・・・


そうこうしてる内にバスは東京へ着いた。6時間かからない、


前より早くなった気がする。




朝5時、バスから降りた先は東京駅の前。  クリニックの開院が10時だから、


迷ったって充分間に合うな。


地元の玩具の様な駅構内と違い東京駅は広いな~と田舎者丸出しで言ってみる。


ゆっくり時間をかけ構内の路線案内図を見比べ、自分の辿る道を模索


スゴく迷うかと思ったけど、シミュレーションがよかったのか一本道のように


するすると目的の駅までたどり着いた。


山手線から○○線に乗り換え、実にスムーズでしたよ、ええ。




駅から外に出ると、そこには昔バイクツーリングで行った 北海道函館や


長崎駅付近を思い出させる町並みが広がっていた。  


高低差のある土地、だぁね


直前に慌てるのが嫌いな私は、


開院まで3時間もあったがクリの場所を確かめに行った。


朝の7時、早朝から学生が朝連なのか歩きや自転車で横を通り過ぎてゆく。


すげー  違和感あるー  社会人なら当然だよね、、、


歩いて10分もしない所にクリがあり、確認出来て安心した。



周りの民家に溶け込んでいる、細長い3階建てのビル(?)


まー評判悪くないからそこはいいやね、東京の開業医なんてこんなんじゃないの?


一抹の不安を覚えながら、駅前まで戻り開院までスタバのパチモンみたいな


カフェで時間を潰す。その時女友達にこんなメールを送ってた。


私   「後は手術を受けるだけ、昨日の肉親や会社の同僚の顔が浮かぶけど、


     来週には今までと同じ笑顔で会話できると思います、○○さんともね」



感傷的になってるなー  32年連れ添った相棒と別れるんだし、当然か



○○  「本当に後悔してない? 


      今更だけど気持ち変わらないんだったらいいけどね」


私   「うーん  自分だけが知ってる不可逆の体内事情  表面が変わらないのも


     俺の希望だし、大きな変化はしないと思うんだ」 


     「独りで悩まない俺は幸せな部類 (GIDというくくりの中でわ) の人間


      なのかもしれない。  こんなコト普通話せないよ、○○さんだからこそ。


      どう生きていくにしても、必ず人と接していかなければならないのなら、


      最善は尽くしたい。  でないとなにもかも放り出して逃げたくなるから。」



方向性も定まってなかったのに、予想はできてたなー  


女性化が一気に進んだのは意外だけど





約束の時間。


10時ぴったりにクリのドアを開けた。


いよいよ、生まれ変わるんだ


心臓ばくばくモンよー  逃げ出したくなった


1階は玄関のみで、靴をスリッパに履き替え2階へ。


小さな受付に可愛らしい女性(看護師?)が座っていた。


私    「あの、10時に予約した××ですけど」


看護師 「あーハイ、では問診表書いてください」


いかにも手馴れた、何人の人間に言ったか分からない感じで看護師は答えた。


ひょっとしたらここでは当たり前の風景なのかもしれない


問診表は、どこにでもある簡単なもので、


整形外科だしどことなく女性の方が優先な書かれ方だ。


ウソはイカンと思い正直に書いたが、


保険証使うわけでもなしテキトーでよかったのか?


看護師 「書き終わりましたら先生のカウンセリングがあるので奥へどうぞ」




いよいよか・・・


鼓動が早なる。  奥のドアを開け中へ入ると、医学書や書類が整然とは


言い難い感じで小部屋に詰まっていた。


そこに細面の、スマートなセンセが椅子に座ってPCを見ていた


センセ 「はじめまして、どうぞ掛けてください」


ギクシャクと緊張しながら私は机の前の椅子に浅く腰を下ろす。


私    「はじめまして、××といいます、今日はよろしくお願いします」


センセ 「緊張しないで、簡単な手術ですから。  


では手術前にカウンセリングを・・・」




そういうとセンセは4枚の紙を私に見せてきた。  


そこには術後の症状(既出なんで書きまへん)、手術内容と種類、それぞれの費用、


麻酔の仕方と種類、制限事項、緊急連絡先、最後に誓約書。


この書類を二人で見ながら、センセは詳細に、理解し易く手書きの図入りで


20分ほど説明してくれた。

私の場合、移動が遠距離、すぐに帰るという悪条件があり、センセから



センセ 「××さんは術後すぐに移動しなくてはいけないので、


麻酔は最低限でいきましょう。


      理由は麻酔は少なければ少ないほど術後の回復が早いからです。

      それから帰りの出発のギリギリの時間まで近くの△△駅付近にでも


      居てもらえますか?  いつもより時間をかけて止血しますが、


万が一出血してもすぐこちらに来てもらえれば対応出来ますから。」



不安だし待機するのに異存はなく、即答で了解した。


4枚目のページの下の方に、全ての説明を受け理解し、


問題ない場合は誓約書を書く。


ここに書かれている注意を守らなかったら何が起こっても自己責任、みたいな内容。

署名すると、すぐに手術に入るので先にトイレに行って搾ってきてと言われた。


場所が場所だけにそりゃそーだよなー


あとは控え室に戻ると手術費用を請求された。


にこにこ現金払い。  さよーなら  20マソ・・・


引き換えに今後しばらくカツカツの生活が待ってるよ。。。





長すぎて書ききれーん  どーすっかな、 Ⅷー②とかにするか。


じゃ、上のタイトルも①付けなくちゃ


しかしこんな長いの見るヤツいるんかねー


ドキュメントだしここが今はメインだし。


てコトは来年エライ長いのが・・・
   

  ~Ⅵの続き~


ちょっとした確認メールのやりとりをして、やってきました木曜日! 終業! 帰宅!


イヤでもテンション上がりますなー




ここで、唯一カムしていた女友達にここぞとばかりに実況しまくる。


だって不要なモノが無くなるの嬉しくて仕方ないんだもん。。。


後悔?  半年経っても1mmもないなー




女友達からは最後まで心配してもらいました。


それに答えるように私も、いつもより事細かく自分の心情を伝えました。  


やっぱ不安はあるさ~


お風呂入って、集合時間までまんじりとせず待機


高校受験の前日みたいな感じ   あ゛~思い出してきた


夜中近くになり、車で駅に向かう。  


タクシーとパーキングでどっちが安いかは地域差があるので要チェック。  


私も警備員に聞いたよ




ネットでの予約は不安があったけど、無事にバスは来て、


予約もちゃんと取れてた。  ビバ!  文明の利器




漆黒の闇を裂いてバスは一路首都・東京へ


なーんて書くとカッコいいけど、電車で行きたかったな、


早いし身体痛くならないし。  術後の帰りのバスが心配だよ



母には友達の家で酒飲んでそのまま寝て、会社出てまた飲み行く、


帰ってくるかわからん  みたいなこと言って出てきた。


15日  ワリィ  お袋、俺明日、男性じゃなくなってっから・・・


16日  ゴメンネお母さん、私は明日、男性じゃなくなってくるから・・・


極端な話、心理的にはコレくらい変わったかな。


女ホルして去勢を境に私は一気に心が女性寄りになりましたとさ。