パニクリながらも仕事は休まなかったので
少しずつ作業も覚えていった
陳健という一つ年下のヤツが少し英語が出来たので、
いつも一緒にいてよく仕事を教えてくれた。
工場には70人くらいの若者が働いている
オッサンは管理者くらいのものだ
3分の1くらいが女の子だ
その女の子のほとんどが在籍するのが、そう、
オレの居る「検品、梱包、出荷部」 だ
仕事の内容はそのままで製品を女の子が検品し野郎が梱包し、出荷する。
工場内ではもちろん天国のような場所だ
別の場所で作業している野郎共がよく冷やかしに来る。
工場の仕事仲間は歳が近いせいもあるが、みんな
ビビりながらも、(ビビってるのはこっちだ)よく話し掛けてくる。
中国人の若い連中が必ず知っている日本語がある。
「よしよし、めしめし」
「いわいまで、いわいまで」 この二つ。
人気のある映画かテレビで使われていたらしく、
みんなどういう意味?と聞いてくる
さっぱりわからん
後、必ず野郎同士で盛り上がるのが、
下ネタ。
お互いの国の性器の名称や、
何人やったとか、どんな珍しい場所でやったとか、
オレのほうがデカイとか、そんなのどこの国でも同じだろう。男は男だ。
だから、オレの中国語はかなりキワドイものから学習した。
一度、悪友の陳健とある女の子に
「今晩食事しませんか?」
と言うことをジャンケンで
負けた方が言う事になっていたのだが、本当の内容は
「あなたの○○コに入れさせてください」 だった。
何でこいつらこんなに真剣にジャンケンに負けたくないんだ?
と、のんきに考えていた俺はまんまと負け、
その子と倉庫に二人きりにされ、初めてその子をまじまじと顔を見たが
なかなか、かわいい子だった。オレは意気揚揚と例の言葉をつぶやいた。
オレの顔面をハタき、涙目で彼女は去っていった。
その後一週間にわたって、事情のわかっていないオレは
全ての女の子から無視されつづけた。
野郎ドモはキャッキャ、キャッキャと大喜びだ。
理由がわかった時には、
陳健にのたうち回るほどのボディーブローが叩き込まれた。