日常と 地続きにある お話に

光を当てて ふわりと終わる




小松とうさちゃん/絲山秋子
¥1,512
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少し前に、「薄情」を読んであまり響かなかったので

どうかな。。。と思いながら読みましたが。





面白かったです。

表題作も、この二人組が最初に登場する掌編「飛車と

騾馬」も、「ネクトンについて考えても意味がない」も。





うだつの上がらない52歳の非常勤講師の小松。

彼の飲み友達である年下で、できる男であるのにネトゲ

中毒の宇佐美は小松を見守る役目。

小松の日常にみどりが現れて、彼は少しずつ現状を

変えていく―





あくまでも小松と宇佐美の日常。

そこにみどりとの出会いがあり、変化していく。

しかし、小松は変わらない。

変わらない小松は強い。

強いけれども、世間知らず(笑)

だから宇佐美は、思わず手を貸してしまうのかな??





終盤に動きがあるだけ。

小松とみどりの今後が知りたくなる、日常小説でした。

よきかなよきかな。





「ネクトンについて考えても意味がない」

これはきっと、今私が悩んでいることだから刺さったの

かな。

海の中で生きるクラゲにとって、物事はとてもシンプル

だから。

人間の考え方は、彼には理解できない。

だから出た言葉。



美しい海の底での出来事だと思い浮かべると、この暑い

夏には向いた短編だと思われます。





★★★★


*最近は、心に残った本だけしか書けておりません・・・

 よってすべて点数は高めかも。