石垣島に降り立った瞬間、南風の匂いが胸いっぱいに広がった。



 ここを拠点にすれば、まるで島々が日替わりで迎えてくれるように、アイランドホッピング の旅が始まる。

朝ごとに違う島へ渡る日もあれば、石垣島に腰を据えつつ、竹富島 や 波照間、西表島 に泊まり歩き、それぞれの島が持つ素朴な表情を味わう日もある。

 夜になれば、石垣島の居酒屋で島唄が流れ、泡盛の香りが旅人の心をゆるめてくれる。

島を走る道はどこまでものどかで、ハンドルを握れば、手つかずの自然がそのまま目の前に広がる。


 海の青さだけでなく、山の深さ、滝のしぶきまで楽しめるのが、西表島へ渡る醍醐味だ。


黒島に降り立つと、まず空気のゆるさに包まれる。
島全体が深く息をつくようにのんびりしていて、時間の流れがひとつだけ遅くなる。
自転車を走らせれば、風が草原を渡る音だけがついてくる。
この島では、ただペダルをこぐだけで旅が完成してしまう。途中で立ち寄ったウミガメ研究所では、海の生き物たちの暮らしを知ることができた。
研究員の話を聞きながら、海の向こうに広がる世界を想像するのが楽しい。
黒島は、静けさの中に小さな発見が散りばめられた島だ。やがて、波照間へ向かう高速船に乗り込む。
揺れに身を任せながら、ただひたすら南へ。


やがて、波照間へ向かう高速船に乗り込む。
揺れに身を任せながら、ただひたすら南へ。
たどり着いた先で目にした海の青は、深く、濃く、吸い込まれそうなほどだった。
あの青に出会うためなら、船の大変さも悪くないと思える。



島々は、それぞれが違うリズムで呼吸している。
その違いを感じながら旅をするのが、何よりの楽しみだ。



一方で、宮古島は――