【フィギュア】スポンサーが共感した友野一希の〝地元愛〟 リンク外の活動実った

東スポWEB   5/23




浪速のエンターテイナー・友野一希
浪速のエンターテイナー・友野一希


【取材の裏側 現場ノート】フィギュアスケート男子の友野一希(25=上野芝スケートクラブ)が、地元への思いを胸に戦い続ける。

 昨季はシーズン開幕前にスポンサー企業との契約が終了。新たな所属先として中学時代まで在籍した上野芝スケートクラブを選択するも、スポンサー探しに悪戦苦闘した。それでも昨年12月の全日本選手権では3位に入り、初めて自力で世界選手権切符を奪取。〝代打の神様〟を返上すると、友野の故郷である大阪・堺市に本社を置くHDフラワーホールディングスが立ち上がった。「地元で活躍されている友野選手に何かできることはないかな」と社内外で話し合いを重ね、3月にスポンサー契約を締結した。

 同社の担当者は友野の〝地元愛〟が、サポートを決めた要因の一つだと明かす。「友野選手は地元を大切にされている。阪神ファンとおっしゃっていたり、インスタグラムで地元の食べ物を紹介しているところも共感できます」。誰よりも地元のことを考え、行動に移してきた姿に心を打たれたのだ。

 現在の友野は来季に向けて準備を進める一方で「地元に貢献したい」と考えており、同社とともにイベントを計画中。詳細は検討段階だが、同社担当者は「弊社は花を扱うグループ会社なので、花を使ったワークショップを一緒にちょっと開催できたらなと。あとはスケートに関するイベントやお話も上手なのでトークショーとかできたらいいんじゃないかな」と、さまざまな青写真を描いている。

 リンク外で積極的に活動を続ける友野は、本業でもさらなる高みを見据える。昨季最終戦となった4月の世界国別対抗戦後には「難しい試合では自分の弱さがまだまだ出てしまう。自分の力をもっともっと上げていかないといけない」ときっぱり。充実感よりも悔しさが際立った表情は、進化の予感を漂わせた。

 頼もしい援軍と次なる一歩を踏み出した「浪速のエンターテイナー」。紆余曲折を乗り越えた来季は、どんな演技を見せてくれるか。シーズン到来が今から待ち遠しい。