北京五輪のフィギュアに平昌で不正をした中国人審判が戻った!
<あからさまに中国人贔屓の採点で資格停止処分を受けた男性審判が、フィギュアスケートの採点パネルのリストに加わっていた。また中国人選手にいい点を与えるつもりか>
2018年に韓国で開催された平昌(ピョンチャン)冬季五輪で、採点に「明確かつ組織的なバイアス」があったとして資格停止処分を受けたフィギュアスケートの中国人ジャッジが、来たる北京冬季五輪で採点パネルの一員に加わることになった。
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中国人の男性審判フアン・フェン(Huang Feng)は、2月4日に開幕する北京五輪において、技術審判(テクニカル・パネル)の中のテクニカルコントローラーという役職でリストに記載されている。この役職は、テクニカルスペシャリストを監督する役割を担っており、「特定のエレメンツ(要素)に付けられた難易度について訂正を提案することができる」とロイターは伝えている。
フアンは、2018年の五輪のあと、国際スケート連盟(ISU)から1年間の資格停止処分を受けた。ISUの規律委員会は、フアンがこの五輪の際に、中国選手に大きく偏った採点をしたと判断した。
「その重大な不正は、フィギュアスケート界でもっとも重要かつ名誉ある競技会である冬季五輪でおこなわれたという事実により、いっそう悪質なものになった」と、ISUはプレスリリースのなかで述べていた。
戻ってくるなんておかしい
規律委員会によれば、中国選手に対するフアンのバイアスは、とりわけペア競技において、2018年五輪での不正採点以前から始まっていたという。
ISUは、2018年の平昌五輪が始まる前にも、2017年ISUグランプリファイナルでの採点に関してフアンに警告書を送っていた。ロイターが入手したコピーによれば、ISUはその警告書のなかで、フアンが「エレメンツでもコンポーネンツ(演技構成)でも、客観的な根拠をいっさい欠いたまま中国ペア2組を明らかに後押ししていた」と述べている。
「これは自国びいきと評価された」と警告書は続く。
2022年北京五輪にいたるまでのあいだに、ISUは複数回にわたり、フアンを採点から締め出そうと試みてきた。だが、フアン本人が、バイアスに関する自身への告発を退けるように要請してきた。
選手のなかには、フアンが中国選手をひいきしていたとするISUの見解に同意する者もいる。また、多くの選手は、2022年大会でフアンが採点を許された場合の競技の公正性に懸念を抱いている。
「資格停止処分を受けながら、次の五輪でも仕事をする。そんなことを許すべきではない」。引退したカナダのペア選手メーガン・デュハメルは、ロイターに対してそう話している。「われわれスポーツ界は、そうした人を再び迎え入れるのではなく、一掃しようと努めるべきだ」
審判は自国びいき
平昌大会後にスケートから引退したデュハメルは、フアンはほかのジャッジと比べて採点が大きく偏っており、そのバイアスは明らかだったと語った。デュハメルと、パートナーのエリック・ラドフォードは、平昌大会で最終的に銅メダルを獲得した(金はドイツペア、銀は中国ペアだった)。
「いつの日か、ジャッジがそれぞれの出身国ではなく、ISUを代表するようになってほしい」と、デュハメルのコーチを務めるブルーノ・マーコットは言う。「だが、まだその日は遠そうだ」
前代未聞のスキャンダル
フィギュアスケート競技はその歴史を通じて、とりわけ国際大会において、数々のスキャンダルに揺れてきた。
2002年のソルトレークシティ冬季五輪では、ペア競技で不正行為があったことが発覚し、2組に金メダルが与えられる結果になった。このスキャンダルを受けてISUは、採点方式を大幅に変更した。
だが、おそらくもっとも有名な事件は、アメリカのフィギュアスケート選手トーニャ・ハーディングが絡んだものだろう。1994年、ハーディングの元夫が、同じアメリカのフィギュアスケート選手ナンシー・ケリガンを襲い、負傷させて、間近に控えていた全米選手権と五輪の両方から追い落とそうとした。
(翻訳:ガリレオ)
ジャスティン・クラワンス