相談の中で多いものの一つに「採用」の問題があります。
採用の際、いわゆる「いい人が来ない」というもの。
ここで採用に関して、厚生労働省からあるデータがあります。
(1)「求人側からみたミスマッチの理由 中小企業データ」
これによると、6割以上が求人のミスマッチの理由として
「応募者が自社が希望する能力水準を満たさない」としています。
他方、(2)「能力開発の現状」というデータをみると
事業所規模99人以下の事業所では、4割程度がOFF-JT,OJTの「いずれも実施していない」というデータがあります。
これは1000人以上の事業所では3%となっていることから、中小企業と大企業では大きな差があります。
実際の中小企業の採用のあり方として、「良さげな人」を雇用して、「現場」で覚えてもらうというのが多いです。
「現場」でもすぐにできるように、「良さげな人」は経験がある、実績がある人という感覚があるように思います。
しかし、この視点では今後の労働人口の減少時代ではますます採用が難しくなるのが目に見えています。
今後必要なのは、「キャリアプランを考えた上で人材を育成する」という視点です。
具体的に考えるべき2つの視点あります。
①採用する上で何の能力が必要かを定義する
いわゆる「いい人」とはどういう人かを文字、数値にするということですね。
②「今はできなくても」、いつ頃までにどういう能力を身に付けるべきかプランニングし、達成するために、どのような体制を整えるべきかを考える。
いわゆる「人材育成」、「マネジメント」ですね。
採用を中長期の視点から考える。
これが今後の採用難の時代に必要な視点ではないでしょうか。
社会保険労務士 櫻井
参考:厚生労働省