2015年制作 しな材(人形高=80mm、馬=42㎜)台一体
6】 年明け
バッタドラゴンはあの台風で故障したのか
出発の気配がない
瞬く間に外の時間の流れは数カ月間が過ぎたようで
周囲は寒々とした景色と化していた、年が明けたようだ、権現さんの前の道祖神に悪がきたちが集まっている
「道祖神」と刻んである卵形の石を平らな石の上に載せてあり、
「これはなあ、イサちゃんの父ちゃんが転ばないように下をセメントで塗ったんだって」
と年上の先輩に言われた
僕はひび割れ始めたそのコンクリートを幼いころ
亡くなって記憶も薄い父の手の跡を感じたのか、しばらく眺めていた。
☆ ☆ ☆
道祖神まつりは道祖神を覆うように小屋を作り中でお賽銭やら集めた菓子やミカンを大将がみんなに分け子供たちだけで過ごす
昔から道祖神まつりは子供たちだけの力で祀るものだった
道祖神がある道下が一メートル五十センチほどの高さの石垣になっている、
下の溝はこの時期は水が流れていない
そこに竹の棒を斜めに四~五本立て掛け
田んぼにあった藁を縛り付け片面だけの藁屋根を作って子どもの秘密基地のような小屋ができた。
ちょうどいい具合に石垣に太い土管が突き出ていて 悪がきどもは土管に木端を入れ火をつけて即席の暖炉になった。
なかなか出来の良い道祖神まつりの小屋。
マー坊ちゃんの兄ちゃんが
土管で燃えている火の着いた枝を引っ張り出して松明のようにかざして見せていた
ふざけて何回かやっていた
そのうちに天井の藁に燃え移った 乾燥した藁小屋はわずかな時間で燃え落ちた
こんなことでは周りの大人は驚かない時代だった
マー坊ちゃんだがまだ一年生の小さい子で
雪合戦で
「マー坊は危ないから、そこの陰で玉でも作ってろ」
と兄ちゃんに言われたマー坊ちゃんは
「いい所みいつけたあ・・」
と土手の陰に飛び降りた。
・・バリっと スダレか何かが折れたような音がしてマー坊ちゃんの降りた周りの白い雪が茶色く染まった
畑の隅の肥溜めに落ちたようだ
肥溜めにヨシズを被せてあってそこに雪が積もっていて、落とし穴のようにマー坊ちゃんは腰まで落ちた
周りの子供たちが騒いだ
「・・・」
マー坊ちゃんの兄ちゃんが
「笑うじゃねえ」
「笑うじゃねえよ・・」
と 大きい声でみんなを制した
寒さでそれほど周囲は臭くはなかったが泣きながら兄弟は家に帰って行った
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
**************************![$[調息] 四季を感じ、自然を感じ](https://stat.ameba.jp/user_images/20120105/18/tukuruya/36/20/j/t02200108_0640031411717504343.jpg)










