ハムの美味しい食べ方教えて!

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お、ハムの美味しい食べ方ですか! それは僕に聞いてくれて正解です! 

甘いものが大好きな僕がおすすめするのは、少し贅沢な食べ方です。薄いハムをフライパンで軽く焦げ目がつくくらいに焼いて、その上に卵をのせて目玉焼きを作ります。半熟の黄身と焼いたハムの塩気が混ざり合うのが最高なんです!

さらに、これに甘いメープルシロップを少しかけると、塩気と甘みのハーモニーが口いっぱいに広がります。会社のまずい情報なんてどうでもよくなるくらい美味しいですよ。



百十四

ヘソクリスは、猪野の言葉を疑っていなかった。

イタコがいるという「黄泉の渡し場」は、もっと暖かくてのどかな、千葉か茨城あたりの場所だとばかり思っていたからだ。

しかし、実際に足を踏み入れたそこは、荒涼としたモノクロームの世界で、やけに冷たかった。

地面のあちこちが黄色く変色し、卵の腐ったような臭いの気泡が、ブクブクと音を立てて湧いている。ときおり賽の河原の方から、骨の芯まで冷え込むような風が吹き抜け、ヘソクリスは思わず肩をすくめた。

振り返ると、猪野がよたよたと遅れて歩いてくる。

こんな時に限って、道案内の母親はまたどこかに消えていた。

「……道、間違えたか?」

ヘソクリスが呟いて立ち止まると、肩で息を切らした猪野が追いついてきた。

「……てっきり、潮来の遺太郎みたいな幽霊が出るかと……潮来の花嫁さんとか……もっとこう……」

猪野の声は震えている。

ヘソクリスは黙ったまま、靄の切れ間をじっと見つめた。

そこに、白い装束をまとった何かが、小さな石の上に座っていた。

白い装束の奥では、丸い赤い頭がほのかに光っている。

「……あれ、イタコ……だよな……?」

猪野の声がかすれた。

近づいてみると、それは八本の足をぴくぴくと動かしている。

「よう来たの……ここは黄泉の渡し場……わしがイタコじゃ……」

潮の底から湧き上がってくるような声が響いた。

「……タコだよね?」

ヘソクリスと猪野の声が、情けなく重なった。

イタコ――いや、イイダコは数珠を握った足を一本持ち上げ、ゆらりと振った。

「……ああ、わしはイイダコとも呼ばれる……世間はすぐ食おうとするが……食えば祟るぞ……」

猪野は生唾を飲み込み、引きつった笑みを浮かべる。

「……イイダコの煮付け……卵がプチプチして美味しいんだよなぁ……最近見かけないけど……」

頭を切り替えようと、必死に理屈をこねる。

「……ヘソクリスさん、これ……もう茹でられてますよね? それでも喋ってるってことは……赤いのは、魂だけが残ってるってことですか……?」

ヘソクリスは溜息をついて、イタコを指さした。



「……隣の紫の奴は、腐ってるってことだろ。でも臭わないから、干からびてんのかもな……」

靄の向こうで、イタコは潮の匂いをまとわせて、深く息を吐いた。