好きな海鮮は?
▼本日限定!ブログスタンプ
好きな海鮮は強面商事のエビですかねー うーん、僕はヤッパリ「ゲノム改変・超速成長エビ」が好き好き大好き!
普通のより大きくて、身がパンパンに詰まってて、甘みがぎゅーっと凝縮されてるんです!研究室でこっそりつまみ食いするのが至福の時間!
個人的には、少しだけ醤油を垂らしてワサビを添えるのも、エビの甘みが引き立って美味しいですよ!
百十三
その間、ヘソクリスのスマホがけたたましい音を立てた。
「チッ……」
ヘソクリスは舌打ちし、慌ててスマホを確認する。画面に表示されたメールの件名――『緊急通達:キノコ牛魂の回収業務について』――が、覗き込んでいる猪野の目にも飛び込んでいるのが分かった。
そして、ヘソクリスはメールの内容に目を剥き、声を荒げた。それは、タンポキング本社からの信じがたい新たなタスクが記されていた。
強面商事の社員たちによってBBQにされ、天に召されたキノコ牛の魂を集め、強面商事に転送せよ、という、まさに「鬼畜の所業」だった。
「……ッ! 生まれさせ、殺し、その魂まで利用するとはな……。タンポキングの人面獣心っぷりは想像を超えている!」
ヘソクリスは、この会社にいたら本当に自分もしゃぶり尽くされると身震いした。しかし、帰る当てはない。
「……あれ? ヘソクリスさん、さっきから顔が真っ青ですよ? え? キノコ牛の魂集めって、そんなに大変なことなんですか?」すっかり落ち着いた猪野が、きょとんとした顔で目をパチクリさせる。
ヘソクリスの脳裏には、先ほど目にした広大な冥界のロビーが蘇った。あのどこまでも続くような空間で、無数の魂の中から、特定の「キノコ牛の魂」を見つけ出す。それは、広大な砂漠で一粒の砂金を探すような、途方もない作業に思えた。

猪野は、山で別れた後に何かが起こり、文字通りお花畑を見て、川を渡ってここにたどり着いたのかもしれない。
たぶん、そんな猪野に現世への行き方を聞くよりも、タスクをこなした方が帰れる望みはあるだろう。ヘソクリスはひとまず、キノコ牛の魂を探すことにした。
皮肉にも、その相棒は、まさにその「鬼畜の所業」の中心にいたであろう男だった。